赤に染まる



いつからだろう。最初の頃は全然だったのに。
安全な場所で一緒に眠る時、当たり前のようにクラピカは求めてくるようになった。わたしの存在を確かめるかのように、手探りで触れるところから始まる。
不安なのかもしれない。安心したいのかもしれない。日々の危機感がそうさせるのかもしれなかった。
なんにしても求められるのは嬉しいことだった。いつか飽きられないか心配にはなるけれど。

まるで壊れ物のように優しく触れるから、最初は心地好くて眠くなる。徐々に性感帯への刺激が強くなって、官能が呼び起こされる時、わたしはすっかり彼の虜になっている。いつもいつも逃げられない。逃げるつもりもないけれど。

快感の波にのまれてしまう時、わたしはどんな顔をしているのだろう。抑えきれない声だけでも恥ずかしいのに、時々すごく真剣に見つめられて困る。余裕がないから避けられない。だから代わりにわたしも彼を見つめる。
整った容貌が少しだけ苦しそうに歪む。熱のこもった吐息。少し早くて荒い呼吸。
美しい双眸。その瞳に映るのは赤く染まったわたし。互いに汗が滲んでいる、なめらかな肌。

気持ちいい。ずっと触れ合っていたいくらい。
大好き。好きって気持ちが伝わってくる。

ねぇ、これからも変わらずに愛してね。
優しいばかりじゃなくてもいいの。本能的にも求めてね。

いつもいつも自分ばかりが悦くしてもらっているのが辛いのに、始められると止められない。止めたくない。もっともっと欲しくなる。
わたしはとても欲張りだ。彼に与えられるのが幸せで、ずっと浸かっていたくなる。こんなことではいつかきっと破綻する。欲しがってばかりじゃダメなのに……





ぐちゅんと奥まで挿入されたものがグリグリと抉るようにそこを突く。
気持ちよくて気持ちよくて他に何も考えられない。

クラピカが好き。もっとして。


今日もわたしの思考はぐちゃぐちゃで、ただずっと彼を感じることしかできないのだった。


2023/04/05


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