トロンベ討伐後の健康診断

 お尻や背中を強打したローゼマインは痣ができないか心配だった。それを聞いたフェルディナンドは、彼女を慮って再び診てやることにする。
 彼女の首筋に触れ、体内に薄く魔力を流して癒しの効果を確かめる。

「大丈夫だ。痣にはならぬだろう」
「そうですか。でも本当に? こちらでは患部を見なくても分かるものなんですか?」

 フェルディナンドは内心で唖然となる。

「……それは、君は患部の触診を望んでいたということか?」
「だって自分じゃ見えないんですもん。特にお尻に蒙古斑みたいに痣が残ったら恥ずかしいじゃないですか!」
「診察で見られるのは恥ずかしくないと? 君の羞恥心は一体どうなっているのだ……」
「神官長は未来の旦那様ですし、それにお医者様だから全く問題ありません」
「では医療行為でありさえすれば、君は男に肌を晒すことにも抵抗がないということか? なんと非常識な……」
「あちらでは基本的に診察とはそうですからね。こちらに合わせるとしても、相手が神官長か女医さんなら、特に問題はないのではありませんか?」
「ほぅ……ならば、私も遠慮はせぬぞ?」
「どうぞ? そのかわり悪戯しないでちゃんと[[rb:診>み]]てくださいね?」
「ああ。しっかり[[rb:見>み]]てやろうではないか」



 そうして始まった身体検査。

 寝台に腰掛けたフェルディナンドは、ローゼマインの着ている薄手の寝衣をめくり上げ、うつ伏せになった彼女の脚を晒していく。それだけでも疾しい気持ちになった。だが臀部を検分するために、さらに腰紐を解いて腰の上まで捲りあげる。そして覚悟を決めてドロワーズをゆっくりと脱がせていった。
 それなのにローゼマインは本当に問題がないと考えているようで、大人しく脱がされていくのだった。
 露わになった愛しい者の丸裸な下半身を見て、ゴクリと唾を飲み込んだフェルディナンド。髪が触れるか触れないかの距離に近づいていき、肌の色を確かめながら、彼女から立ち昇る甘い匂いを嗅がされていた。

「……暗くてよく見えぬ。明かりを点けるぞ」
「はぁい」

 寝台の棚に手を伸ばす。その際に膝を乗り上げて、彼女の両足を跨ぐような体勢になって見下ろす。
 柔らかい灯りに照らされて輝くローゼマインの素肌は新雪のように白かった。

「……少し触れるぞ?」
「はい。どうぞ〜」

 こちらは息を押し殺して耐えているというのに、ローゼマインは本当になにも感じていないようである。それはそれで面白くないフェルディナンドは、官能をくすぐる動作を意識して、優しく揉むように太腿から尻に向かって触れていく。

「どこか痛むところは?」
「ん……特には、ありません……」

 触れる手が内股や、尻の割れ目に近付くと、その度にぴくりぴくりと小さな反応をみせるローゼマイン。それに気を良くしたフェルディナンドは、さらに大胆な動きをしていった。
 ローゼマインの両足を開いて大きく広げ、その間に体を滑り込むようにして座り込む。そうして彼女の太腿を自身の膝上に乗せ、脚の付け根を開くようにして股から尻の割れ目を覗く。そうすると彼女の小さな窄みが現れて、その下には聖杯の入口へと続く柔らかそうな膨らみが見えた。
 さらに少し持ち上げてもっとよく見ようとすると、ローゼマインの尻がぷるぷると震える。ようやく羞恥心が芽生えたか。

「あ、あの……神官長? どこまで確認するのですか?」
「尻の割れ目も確かめた方が良かろう?」
「そ、そうですかね。あまりそこは人から見えない部分だと思いますけど……」
「確かに見え辛いな……もう少し膝を立てられるか?」
「え? えっと……こうですか?」

 躊躇いながらも膝を立てて尻を持ち上げてみせるローゼマイン。本当に医者には従順なのだな。ああ、彼女の慎ましく閉じた薄桃色の花がよく見えるな。
 フェルディナンドはそれに満足し、可愛い婚約者を褒めるように、優しく尻を撫で回してやった。そうして徐々に股座にも近づいて触れる。しっとりと温かく、滑らかで柔らかい。
 そして、何よりも芳しい香りに頭がクラクラしてくる。

 ――もっと。もっと近付きたい。

「このあたりに痛みは? 内側で出血しやすい部分だが……」
「そっ、言われてみれば……そう、ですね……確かに、あの時はそこも痛かったような気もします……あの、大丈夫そうですか?」
「大事な場所だからな。少しずつ指圧してみるので、痛みがあれば言いなさい」
「は、はい……でもちょっとコレ、流石に恥ずかしいですね。できれば、そのぉ、なるべく手早くお願いします……」
「善処しよう」

 そう言うなりフェルディナンドは彼女の聖杯まわりを少しずつ押して刺激する。両手を使って揉み込むように、あるいは撫でるように触れて、やや興奮しながらも楽しく確認していった。指先でくりくりと回すように圧迫していったり、陰部を開くように触れて襞を揺らしたり……そうしている間にローゼマインのそこが花の蜜を溢れさせるように潤っていくのが見えた。

 ――君のここは美しいな。

 フェルディナンドは愛らしく誘う咲きかけの蕾のようなそれに抗えず、ぺろりと舌を伸ばして舐めとると、脳から全身に向かって甘く痺れる蜜がもたらす快感に支配され、欲望が満たされていくのに心を奪われる。次の瞬間には夢中で口付けていた。

「ひゃっ、ふわぁっ?! し、神官長? なにして――ゃぁああんッ」

 舌で舐められ、じゅるりと吸われた熱くて柔らかいような刺激にローゼマインは堪らずに声をあげていた。くすぐったいような感覚のなかに、不思議な心地良さがある。
 未知の感覚に逃げたくなるのに逃げられず、がしりと掴まれた太腿と尻を小刻みに振ることしかできなかった。それでいて、その動きがまた変な衝動をもたらしてくる。

「あっ、あっ、あっ、なに、これッ。神官長ッ、だめっ、ゃあん、やめてッ、ぁあん、止まらない、の――」
「――どうした……ローゼマイン。痛むのか?」
「違ッ、ちがうの……でも、だめ。これ、変になっちゃ――ぁああッ、いや! それッ、だめぇぇ――!」

 フェルディナンドが舌でほぐした場所に指をあてがい、ツプリとなかに差し込んでいく。同時に見つけていた花芽を優しく挟んで触れた。
 ローゼマインは快感の粒を揺らされ、滑る指に弄ばれる。大事な場所の内部では、フェルディナンドの長くて太い指が彼女の柔らかい部分を擦って掻き乱す。ローゼマインは堪らない感覚に喘ぐように息をした。




 苦しいようで気持ちが良い、複雑な焦燥があるのに体は勝手に反応を示して動く。まるでフェルディナンドに診察行為の続行をねだるように、更なる刺激を求めるかのように……勝手に甘ったるい声が出て、腿や尻を揺らしてしまう。さぞ見苦しい姿だろうと思うと泣きたくなるローゼマインだった。

「あぁ、ローゼマイン……気持ちが良くなってしまったか?」

 どこか蕩然としたような声で語るフェルディナンド。
 彼は自分のこんな変化を嫌悪していないのだろうか。健康診断のはずだったのに……ローゼマインがそう不安に思っていると、フェルディナンドが嬉しそうに伝えてくる。

「内部にも傷や腫れは見あたらぬし、君のここは問題なく機能しているようだ……大変結構」
「フェ、フェルディナンドさまぁ……」

 必死に名前を呼ぶ間にも、グチュグチュと音を立てて圧迫されている熱い場所から、何かが漏れて垂れていく。まだ診断中なのに、意識は完全に違うところにいってしまっている。ローゼマインは恥ずかしくて申し訳ない気持ちになる。

「どうした、ローゼマイン。これだけでは物足りないか?」
「あっ、はぁ……ぅ、っ……き、嫌いにならないで……」

 必死に声を押し殺しても、体が言うことをきかない。今となっては快感に囚われているのだと、ローゼマインにも理解できた。
 火がついたように身体が熱い。顔も火照っていることだろう。こんなに気持ちがいい診察になるとは思わなかった。終わったなら我慢するべきなのに、もっと欲しいとフェルディナンドに甘えたい――

「嫌いになど、なる筈がなかろう? 君は私の婚約者だ……それに、こんなに愛らしい反応を見せてくれる」

 ローゼマインが半泣きになりながらも彼を見ようと振り向くと、同時にくるりと身体を転がされて仰向けに寝かされる。
 そして覆いかぶさるように眼前に迫ってきたフェルディナンドは、まるでローゼマインに夢中になって、興奮しているように見える。
 虹色に揺らめく目を閉じて、フェルディナンドはローゼマインの唇に彼の唇を重ねた。ゆっくりと舐められて舌先が唇をこじ開ける。口のなかに入った途端、甘くて美味しい何かを感じ、ローゼマインは夢中でそれを受け止めた。
 互いの舌を絡ませて、快楽を貪るようにしていると、ますます下腹部の奥が疼く。いつの間にか増やされていた指の動きが心地好く、その刺激に彼女の様々な場所がビクビクと震えた。
 緊張と興奮で、心臓が早鐘のように打つ。だがそれは抱きついたフェルディナンドも同じのようだった。

「ローゼマイン……」

 夢中で交わしていた口付けをやめて、フェルディナンドが困ったような苦しそうな表情で彼女の名前を呼んだ。

「君の、この中を……もっと深く触診しても?」

 懇願のような響きが含まれるその意味に、さすがのローゼマインも察する。フェルディナンドは指よりもっと長くて太い彼の一部でローゼマインの熱い場所を暴きたいと願っているのだ。

「つまり、フェルディナンド様の、剣で、確かめるのですか?」
「……そうだ。嫌か?」
「フェルディナンド様が、必要とされるなら……私は嫌ではありません。でも……」
「でも? なんだ?」
「その……は、入るでしょうか」
「……気付いていないのか? 君はすでに、私の指を三本も飲み込んでおきながら、不満そうにしているのだぞ」
「えっ……えぇ?!」
「君の聖杯は、私の剣による診察を待っているのではないか?」
「……お、お手柔らかに、お願いします……」

 ローゼマインは恥ずかしさに顔から火が出そうだったが、なぜかフェルディナンドはお気に召したようだった。

「大丈夫だ。君はいつも理解が早く、優秀だ……安心なさい」

 何をどう安心すれば良いのか分からないまま、ローゼマインはフェルディナンドを見つめていた。
 彼が上着を次々と脱いでいく。そして下履きをおろすと勢いよく立派な剣が飛び出した。あまりの立派さにローゼマインは驚いて、ついつい凝視してしまったが……その先端は透明な液で濡れており、妖しく光る様が目を惹いた。






2020年10月27日 15:00
続く……?

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