side マイン

 神殿での話し合いが終わったあと、案の定熱を出して寝込んだわたしは、その間に家族から色んな質問を受けた。
 もちろん織地が解かれたことや、時を戻ってきた十六歳のマインだということは話せなかったけど何でそんなことを知っているのか∞どうして信用できると分かるのか∞何故いきなり魔術が使えるようになったのか≠ニいうような意味不明な現象については全て『神様に教えてもらった』で押し通した。
 実際、神々によって記憶が残されたからこそ分かることばかりだし、シュタープに至ってはまさに神の恩恵である。詳しい説明を省いただけで、全くの嘘というわけではないのだ。
 そうして数日間にわたっていかに神官長が素晴らしい人か≠語ったわたしは、若干引かれつつも納得してもらえたように思っている。ついでに部屋もヴァッシェンで綺麗にしておいた。

 ……うん。やっぱりディーノの良さは、家族には分かってもらいたいもんね! 虚弱なわたしはきっと今回もフェルディナンドには世話になってばかりだと思うけど、それでも魔術が使えるのは大きい。わたしだってフェルディナンドの役に立つのだ!

 そんなこんなで体力のない身体を五日かけて万全に整えて、ようやく外に出られるようになると、わたしはとりあえずベンノさん達に報告と相談をしに行くことにした。

 すると──





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