――小さな綿の花が揺れていた――
『ここ、どうですか?』
「うん、なかなか気持ちいいよ」
『う〜ん…じゃあこれは?痛くないですか?』
「大丈夫だよ。ちひろさん、ずいぶんと手慣れてるようだね…」
『ふふふ、そうでしょう〜。実はけっこう好きなんですよコレ』
「そうなのかい?」
『はい!終わった後の達成感も堪りませんし、お互いに気持ちいいじゃないですかっ』
「やってもらっている私はともかく…ちひろさんまで気持ち良くなるものなのか?これで?」
『うーん、なんて言うかこう…攻略していく感じ?それが快感なのかもしれません。とても爽快な気分になれます!』
「では、これからは必要になったらちひろさんに頼もうかな?」
『わっ そうしてもらえると嬉しいです!呼んでもらえたら何時でも飛んで行きますよっ』
「ふふっ いつでもか…そんなに好きなら遠慮なくお願いするとしよう。私も助かるよ」
『はい!小五郎さんに呼んでもらえるの、楽しみにしてますからっ♪』
嬉々と語る娘と、その娘の膝に頭を乗せて横たわっている男。
そんな二人の姿が目撃されたのは、よく陽の当たる縁側でのことだった。
彼女の手には竹製の細い棒が握られていて、その先端には梵天。
彼の耳に触れながら、よく笑って話していた。
そんな彼女と、猫のように目を細めながら会話をしているという…
普段の姿からは想像し難い彼の珍しい行動が見られたとか。
*
その後……
(色んな意味で…あの場を取り繕うことが、ここまで難しいことだったとは思わなかったな)
膝枕の口実ができたことを含め、ついつい感慨にひたる小五郎だった。
2010.12.31
なにか誤解を招くような文面かも…?
実は私も大好きなんです「耳かき」が(●´艸`)54/64