「では改めて聞こう、そんな突拍子ない晋作をどう思う?」
『どうって……好きですよ?なんだかんだ言って高杉さんって、器の大きい人だと思いますし』
「ふふっ、そうだね」
『チョットお調子者だけど、根はとても繊細で真面目で優しい性格なんじゃないかなぁとか…だけど人の上に立つ者としての立場とかがあるから…破天荒な明るさで隠してる、そんな気がします』
「晋作のことをよく理解してくれているのだね…ありがとう、晋作も喜ぶ」
『……桂さんは?』
「?」
『桂さんは高杉さんのこと、どんな風に思ってるんですか?』
「私かい?私は……」
『?』
「案外、言葉に表すのは難しいものだね…私の良き理解者であり、友であり、藩の要でもある晋作を…一言で云うなら、何者にも代え難い大切な…同士兼好敵、かな」
『大切な仲間であり敵でもあるんですか?』
「ああ、そうだよ。晋作とは意見がぶつかり合う事が実は多い…。だが、異なる見解から生み出される方策だからこそ、藩にとっては有利に働くのさ」
『なるほど…なんだか壮絶ですね、二人の関係って……凄いなぁ』
片や、友への称賛と好意に…
片や、二人の間の強い絆に…
ツンと胸に刺さって響く、微かな痛み。
その理由に気付くのは‥‥まだ少し先の話。
2011/03/02
節分SSのあとに設置した拍手SS51/64