『あの〜…前から一度聞いてみたかったんですけど……』
「なんだい?」
『桂さんって、彼女いるんですか?』
「彼女がいる??」
『あっ、恋人っていう意味なんですけど…』
「私に慕わしい人がいるのかということかな?」
『ええ、まぁ…そんな感じです』
「そうだねぇ…」
『はい』
「親しい女性なら何人かいるけれど、慕わしいかと問われると、少し違う…」
『はぁ…(少し?)』
「君はどうして私のそんなことを気にするのかな?」
『え〜と…何となく?桂さんが好きになる人って想像できなくて…』
「私にそういった特定の人がいなくて失望したかい?」
『失望なんてしませんよ〜』
「では嬉しい?」
『いや、嬉しいとか期待外れで残念とか、そういうのじゃなくて…』
「うん」
『…って・桂さんこそ、なんでそんなこと私に聞くんですか?』
「…(そういえば何故だろう)それは…君の突拍子もない思考が珍しく興味深いからかな」
『突拍子ないって、そんなぁ!私なんか、高杉さんの足元にも及ばないですよ』
「ははっ、確かに…あいつは突拍子ないな」
『ふふふっ…』
――互いに鈍感なカップル――
2010/12/20 頃(たぶん)の拍手お礼SSでした。50/64