鈍感カップル




『あの〜…前から一度聞いてみたかったんですけど……』


「なんだい?」


『桂さんって、彼女いるんですか?』


「彼女がいる??」


『あっ、恋人っていう意味なんですけど…』


「私に慕わしい人がいるのかということかな?」


『ええ、まぁ…そんな感じです』


「そうだねぇ…」


『はい』


「親しい女性なら何人かいるけれど、慕わしいかと問われると、少し違う…」


『はぁ…(少し?)』


「君はどうして私のそんなことを気にするのかな?」


『え〜と…何となく?桂さんが好きになる人って想像できなくて…』


「私にそういった特定の人がいなくて失望したかい?」


『失望なんてしませんよ〜』


「では嬉しい?」


『いや、嬉しいとか期待外れで残念とか、そういうのじゃなくて…』


「うん」


『…って・桂さんこそ、なんでそんなこと私に聞くんですか?』


「…(そういえば何故だろう)それは…君の突拍子もない思考が珍しく興味深いからかな」


『突拍子ないって、そんなぁ!私なんか、高杉さんの足元にも及ばないですよ』


「ははっ、確かに…あいつは突拍子ないな」


『ふふふっ…』








――互いに鈍感なカップル――








2010/12/20 頃(たぶん)の拍手お礼SSでした。

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