――愛してる――
まさか己がこのようなことを思う日が訪れようとはな……
思ってもみなかった、この先行き不透明な曇り空。
時が来て雲間から覗くのは、
暖かく光り輝く太陽なのか…
私怨を含んだ冷たい雨なのか…
それさえも今は判らない。
選ぶべきは分かっている…
それでも選びたいものが他にある。
いっそ何もかも全てを吹き飛ばす嵐であればどんなに楽か…
――僕は間違っているのか?――
――君は何を望む?――
必死に反発する思いや理屈を次々と打ち砕いてゆくのは…
君が起こす天真爛漫な行動と、
君を巻き込み抱え込もうとする輩の存在。
それから、僕自身が引き起こす激しい衝動…
積み重ねた愛しさの正体が、
形のない「愛」にあると気づいた時…
“あのまま気付かければ良かった”と、
そう思ったんだよ。この僕が……
こんなことは間違っているのかもしれない。
それなのに胸の奥底では、
君の言葉に一喜一憂している…それが悔しい。
どんなに平静を装っても、
取り繕うことができなくなっているのは事実。
認めよう、この醜態。
認めなければ行く当てもない。
然すればあの娘はどうするだろうか…
僕だけを見つめさせるにはどうすれば良い?
彼女の仕草を見るからに、少しは期待ができると見える。
しかしまだ確実ではない…
君が僕を夢にみて、
離れたくないと願う日まで…
沢山の想いを見せ付けて、
沢山の時間を共に過ごしたい。
よく解らない駆け引きと、
矛盾だらけのこの想い。
それが、恋というやつなのか?
困ったものだ。本当に…
己が女子に現を抜かし、
ましてや儚い希望にすがるなど……
この有り得ない状況を終わらせるには
君の協力が必要なんだ。
2011/01/04
お題提供
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