「シャルの何が不満なんだ?あれは容姿もいいし甲斐性だってあるだろう」
「問題は中身だよ」
わたしが悲愴感たっぷりにつぶやくと、団長は重々しい沈黙のあとに一言。
「………それは擁護しかねるな」
「でしょう?みんな口をそろえてシャルをやさしいとか言うけど騙されてるよ。あんなの外面だけなんだから。うちじゃニコリともしないし、そのくせ怒った時だけやたらニコニコ笑顔でさ、もうね、ちょっとしたホラーだよ。それにことあるごとにわたしを馬車馬みたいにこき使うし。あれ前世は絶対鬼だったね」
「俺の前世がなんだって?」
「ヒィ!出た!」
「ふたりとも楽しそうだね?何の話?俺もまぜてよ」
「…さて、俺はそろそろ行くぞ」
面倒ごとに付き合う気はないと言わんばかりに立ち上がる団長を見て、ここにも鬼がいたと気がつく。それからずっしりと重い手が肩に乗っかってきて、わたしの理性が振り向くなと訴えた。けれど、奴の威圧感に逆らえるはずもなく、けっきょく振りかえって見てしまう。シャルの笑顔を。 目が合うと、ポンポン。軽い調子で肩を叩かれて、それからそっと耳打ちされた。
「夜家に行くから覚えておけよ」
このごろホラーな男の子
160531
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