自称神様が言うにはこうだ。
今日はたまたま暇だったのでずっと行きたがってた人間界に遊びに来たらしい。女の子の格好をしているのはほかの神様からのアドバイスだったそうだ(本当は男らしいけどね、この神様)。
だが人間界に来たのはいいものの、何をしようか計画を全くたてていなかったためその辺で立ち往生。そしたらナンパにあって…という訳だ。

まあ、とりあえず。

「絶対ほかの神様こうなるのわかってたよね」
「そう、ですね」

しゅんと神様が顔を伏せる。かわいい。

「もう、帰る?」

人間界に来たけどナンパされてしまった。しかも相当可愛らしい見た目をしているのでこの後ナンパに会うことは必至。ならおとなしく帰った方がこの神様のためだと思う。

「い、いえ。まだ少し…」
「なんか用事あるんですか?」
「…あの、お礼させてほしいんです」
「へ?」

あほみたいな顔をしていると神様にがしっと手を掴まれた。

「僕、名前さんに助けてもらえなかったらずっと帰れませんでした!名前さんは命の恩人ですよ!だからお礼させてください!」
「え、あの?」

神様落ち着け。キャラかわりすぎだよ。

「はっ、僕としたことが!すみません、落ち着きます」
「…心読んだ?」
「はい、仮にも神なので」

にこり、というよりふにゃりと神様は笑った。きっとこの神様は素でもかわいいに違いないと思う。

「で、お礼させてください!」
「じゃあ、敬語やめてくれますか?神様に敬語使われるのはちょっと…」
「わかった!じゃあ名前ちゃんも普通に話して?」
「え、」
「…だめ?」

不安そうに眉を潜める神様。

「……だめじゃない」

そんな顔されたら断るに断れないじゃないか。



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