わいわいがやがやと宴会のようなノリで席に着く。紫諷、刹那、心愛、陽、空狸と座りその反対側に氷華、ココ、わたあめ、オレンジ、レモン、愛和と座る。

「しーくん、これ食べる?」
「うん、ありがとー」
「…かわいー!」

ふにゃりと笑う紫諷にココはもうべた惚れだった。

「おい、ココ」
「んー?あたし今、しーくんとせっちゃんの可愛さ堪能してんだけど」
「やめろ。…それはおいといて、お前の相棒と空狸がすばらしい笑顔で喋ってるんだけど大丈夫かよ」
「ふつーに仲良くなったんでしょ。なら問題なくない?」
「大ありだって!空狸って守備範囲バリ広のロリコンなんだよ!」
「…だから?」
「愛和にも変態が移る可能性大ね」

そういって氷華は茶をすすった。紫諷と刹那は何を言っているのかと首をかしげているがココはそのままでいてくれと願った。

「大丈夫。もうアイツもとっくに変態の仲間入りはたしちゃってるから」
「…そーかよ」

心愛は会話の様子からそれとなく感じ取っていたようだった。

「まあ安心しなって。今の所あたしにしか興味ないから。せっちゃんに手を出そうものなら腕ひしぎからの連続関節技で落とすよ」
「…ココってなんかすごいよな」
「そう?」

白昼堂々好かれていると言ったり、技をかけると言ったり、今甘味を食べている量と言ったり。刹那の手持ちたちはこいつはきっと大物になるに違いないと揃って思った。



***



「「「ごちそうさまでした」」」
「いえいえ。どういたしまして」

あの後、宣言通りにココが全額支払った。合計金額は……とてつもないことになったとだけ言っておこう。

「ココちゃん、ありがとうね」
「ううん、あたしも楽しかったし。また今度会ったらよろしくね」

ばいばーいと手を振って別れる。取りあえず人目の付かないところまで移動してからテレポートをしようと言うことにまとまった。

「にしても楽しかったねえ」
「ええ、とても」

ココは満足げで愛和は素晴らしい笑顔だった。ココはなんとなく愛和と距離を取る。オレンジとレモンは何も言わないがどこかすっきりしたような顔だった。

「今度会ったらショッピングでも行きたいなあ」

ココはシンオウとはまた違った空を見上げ、呟いた。




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