「ああ、みなさんよくいらっしゃいました」

船から降りると本当に船着き場には愛和がいた。

「なあ、ココは何しようとしてんの?」
「それはついてからのお楽しみです。刹那さんもちゃんと服着て来てくれたんですね」
「サイズが丁度合っていて驚きましたよ」
「どなたかに聞いていましたからね」

愛和は会話をしながらどんどん先を行く。刹那たちも置いていかれないように着いていく。

「さて、ここなら人目もありませんね」

そう言って立ち止まったのはヤグルマの森の少し入ったところ。

「今からはテレポートで移動するので暴れたりしないでくださいね」
「失敗して変なところに飛ぶとかないよな?」
「………さあ行きましょうか」
「スルーするな!」

陽の叫びもむなしく、愛和と刹那ファミリーは森から姿を消した。


***



「ミノリ、これってここでいい?」
「うん。クラッカはある?」
「これでいいよね?」

小さな店の中でパタパタと二人は動き回っていた。手持ちたちは邪魔にならないように隅っこで固まっている。

「ただいま戻りました」

カランカランとベルの音を鳴らして愛和が中に入ってきた。

「おかえりー。早かったね」
「時間より早くに船が着いたので」
「そっか。じゃあ皆そろそろ準備してー」
「よーし。晴、万里、花音。クラッカー持って」
「「「はーい」」」
「オレンジとレモンも!」
「りょーかーい!」
「ああ、わかった」

クラッカーを手に取り、それぞれの位置につく。愛和はそれを確認するとドアを小さく開け、外に出ていった。




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