3-A


今日もここから騒がしい朝が始まる。



「弦ーーー!!」



バンッと勢いよく扉を開けたのはものすごい美少女。
走ってきたのか肩で息をしている。



「ど、どうした・・・?」



呼ばれたのは真田弦一郎。
これは毎朝の出来事なのでいい加減馴れてもよさそうなのだが、真田はすごく焦った。



「どうしたじゃない!!おまえのところの部員どうにかしろ!!鬱陶しい」



美少女は吐き捨てるように怒鳴る。

と、廊下が少し騒がしくなった。
そして・・・



「椿!!みっけ!!」


「げ・・・」



美少女――椿が怒鳴り込んできた原因、丸いブン太が現れた。



思いっきり顔をしかめる椿をよそにブン太は椿の腕をがっしり掴んだ。



「真田、おまえの姉貴借りてくぜぃ」


「は!?ふざけるな!!弦、こいつを止めろ!!!」



言い忘れていたが、椿の名前は真田椿。
真田弦一郎の双子の姉だ。
だが二卵生なのであまり顔は似ておらず、老け顔にならず大和撫子と言う言葉がぴったりの風貌に育った。
ただその代わりなのか話し方や性格は結構似てしまい、性格面を言えば武士などの言葉がぴったりと当てはまる。
剣道や空手、合気道その他諸々もたやすく使いこなしてしまう。



「じゃあな」


「ちょ、待て丸井!!放せ!!」



だがそこは男と女。
流石の椿も現役運動部のレギュラーにはかなわない。
そのまま引きずられるようにして教室をでていった。



「毎朝毎朝何なのだ、あいつらは・・・」



ようやく嵐が去った真田は深くため息をついた。






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