いよっしゃあ!待ってました!!
やっと土曜日がきたんでっせ!
…はい、初っぱなから痛いテンションですみません。大丈夫です心の叫びなんです口には出してないから大丈夫です。

今、あたしは駅前の時計に向かっております。土曜日だから人が多くて困る。なかなか歩くのも大変だし、どれがフォークさんかわかんないし。
ていうか、あれ。

「あの銀髪、仁王…?」

人混みから少し抜き出たあの頭は…うん、仁王だ。
うわあ、最悪だあ…。なんか仁王も待ち合わせしてるっぽいし。相手丸井かなあ。知り合いには会いたくないんだけど、オフ会だし。
でも、仕方ない。とりあえず仁王は忘れてフォークさんにメールだ。人多すぎてどこにいるか分からないんですよー。

from:フォーク@白薔薇
sub :時計の下にいるよ
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向かいにパン屋があるとこ
銀髪だからわかると思うよ


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……………ん?

なーんか、なんか、いやーな単語見えたぞー?
えー?銀髪ー?
そんなの日本人にいるわけないじゃんかーフォークさん日本人言うてたじゃんかー

……うん、ごめん。現実みる。

カンペキに仁王だよね、これ。向かいにパン屋見えるし。
とりあえず返事したろ。

to :フォーク@白薔薇
sub :フォークさんの本名って
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仁王雅治?


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from:フォーク@白薔薇
sub :
―――――――――――――
…なんで知っとるし


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はいビンゴー。じゃあ行きますか。


「はよ、フォークサン」
「は?井上?」

人混みを掻き分けてフォークさんこと仁王の肩をポン、と叩く。仁王はキョトンと間抜けな顔をしていた。

「うん、井上だよ。そんでもってHNはひよこ」
「……ああ」

ひよことはあたしネット上で使っているHN。フォークさんともこの名前でやり取りしていたから仁王は一発で分かったようだ。

「とりあえずどっかファミレスでも入らない?立ち話は疲れるし」
「おん。でも行くならカラオケじゃな」
「え、やだ高い」
「お前さん、明日学校で大丈夫かのう」
「うっ」

恐らく仁王の言いたいことはこうだ。
立海の生徒(特に怖いお姉様方)に見つかった場合あたしの仁王の間であらぬ噂をたてられる。最悪、ネット住人なのがバレる。前半はどうにかするけど後半は色々あるからやだ。仁王には「普通逆じゃなか?」と言われたが知らん。

「とりあえず代金は仁王持ちで」
「元からそのつもりじゃ」
「え、いいの?まじで?あたし払わなくていいの?」
「オフ会持ちかけたのこっちじゃし、井上はファミレス希望だったのをカラオケに変えたんじゃ。それくらいするなり」
「なんか悪い」
「じゃあ一言。俺の面子立たせろ」
「うう、イエッサ」

仁王の真顔はイケメンだったけど怖かったです。



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