昼休み。
あたしは一日マネージャーの許可を貰うべく屋上に向かわされていた。
「いーやーだー!!」
「うるさい歩け我儘を言うな」
「あたしはやりたいなんて言ってない!!」
「迷惑料、だ」
「こら!!担ぐな!!」
絶対に行きたくないと机にへばりつくつもりだったが運動部男子の力にかなうはずもなく(普段は力は封印中)ひっぺがせれて引っ張られ、歩こうとせずにその場にしゃがんだら担がれた。
「おろせ!!恥ずいでしょ!!」
「お前が歩かないからだ」
「じゃあ歩く!!歩くから!!」
「下ろした瞬間に瞬歩で逃げる気だろう」
「いいからおろせ――!!」
背中をポカポカと殴るが効果なし。
もう少しで屋上についてしまう。
それなら…
屋上につながる階段。
回りに人がいないか確かめる。
「ッ…!!」
背中から霊力を軽く流して蓮の体を痺れさせた。
蓮が倒れる瞬間を見計らって離れる。
「末梨…何をした」
「体に霊力流して少し痺れさせたの。数分したら治るから安心して。じゃ、アデュー!!」
「アデューじゃない」
え
なんで真田!?
振り返り走ろうとすると、わお、テニス部が勢ぞろい。
「蓮二に何をした」
「(霊力云々は聞かれてないっぽいね…)別になんにも?」
「じゃあ何故蓮二は倒れている」
「えーっと…」
「大丈夫だ、弦一郎。何でもない」
「だが――」
「俺が何でもないと言っているのだから何でもないに決まっているだろう」
「う、うむ…」
うわ、あの真田を丸めこんじゃったよ。
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