体に戻る頃には一時間目の数学が始まって数分たっていた。



「お疲れ」


「ん、ありがと」



蓮からねぎらいの言葉を貰うが、正直あんまり疲れていない。



「末梨が別に疲れていないと思っている確率100%」


「あはは…」



なんで分かるんだよお前は。



「それなりに霊圧は大きかったと思うが、弱かったか?」


「う〜ん、あんまりだった」



蓮も霊感があり、虚や死神がみえる。
ただ、特に能力を持っているわけではないので戦闘はできない。



「あ、メール」



ケータイ……じゃなくて伝令神機をとりだす。
本来メール機能はついてないんだけど技術開発局の知人を脅し――じゃなくて頼み込みあたしとあたしとよく連絡を取る人の伝令神機に機能を取り付けてもらった。

「うわ、白哉からだ…」


「用件はなんだった?」


「今から読むところ……ハァアッ!?」


「うるさいぞ日生。ついでにこれ解いてみろ」



つい大声を出してしまい指名されてしまった。
ていうかついでってなんだよ、ついでって。

まあ、大声を出してしまった自分が悪いので黒板の前まで行き、チョークを握る。
数秒計算式を睨むとサラサラっと答えをかいた。

蓮ほどじゃないけどあたし頭いい方なんだからね。



「これでいいですか?」



ざまーみろと思って先生にきけば



「おー正解だ。できるんなら真面目に授業うけろ」



と、先生のほうが一枚上手だった。
くそっ悔しっ!!



「よく解けたな」


「あれくらい簡単だよ」



あたしが解いたのは超難関私立高校の入試の過去問らしいが、本当に簡単だった。
ていうか立海は私立なんだしエスカレーター式で高校いけるからこんな問題やらなくでもよくね?



「で、お前が叫んだ理由はなんだったんだ?」



あー忘れてたのに。
思い出さすな――!!



「……白哉が来るって」


「いつ、どこに」



こいつのこういう所、なんか嫌だなぁ…



「今日の午後4時半頃。立海大附属中学テニスコート付近」


「…今日はマネージャーの仕事をやれ」


「あたし、マネージャーでもなければテニス部ですらないんだけど」


「待っている間暇だろう。それに俺にも迷惑がかかるんだ」


「迷惑料ですか…。真田がOK――」


「させる」


「さいですか」








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