「セ、セ―フ!?」
「おう、残り0.34秒」
「よかった〜」
「よくない」
「ぁでっ!」
どっと笑いがおこる。
あたしが時間ギリギリなのはいつものことで、クラスメイトが時間を計り、蓮がツっこむのもいつものこと。
ただ、蓮までギリギリなのは珍しくて。
いつもは朝練があるから早いんだよね。
前にいる先生も明日は早く来いよ〜といいながら生徒と一緒に笑っている。
そんななか蓮は窓側の一番後ろの席に、あたしはその右隣に座る。
同じクラスなんだよね、あたしら。
HRをぼーっとして聞き流していると蓮に声をかけられた。
「今日…」
「ん?」
「おまえを起こそうとしたら泣いていた。何かいやな夢でも見たか?」
蓮はいつもは憎たれ口をたたいたりするけど、たまに不意打ちで優しい。
「……前世で死んだときの夢見てた」
「そうか」
あたしは少しだけど前世の記憶がある。
蓮はその事を知ってる。
「無理はするなよ」
「うん、ありがと」
その時
ズン、と重い圧力が体にかかった。蓮も感じたらしく二人で顔を見合わせる。
虚だ。
あたしは義魂丸をとりだしてまわりにばれないよう飲み込んだ。
魂が体から抜け、黒い着物きている。
そう、あたしは死神。
蓮とアイコンタクトをとり、窓から教室を出る。
クラスメイトは誰一人として気付いてない。
空中から辺りを見渡し虚を探す。
見つけた。
ただの小さな虚。
瞬歩で近づき、後ろから頭を叩き割ろうとした。
が、
「ぅおっ!!」
尻尾で叩かれそうになり、瞬歩でよける。
もう一度近づくがまた叩かれそうになった。
接近戦はやりにくそうだ。
だったら…
「断ち切れ!!奥梨丸!!」
鞘から抜いた斬魄刀がなたの様な形に変形する。
「絶翔!!」
斬魄刀を振れば虚は竜巻に閉じ込められ、竜巻が消えた頃には全身に切り傷ができていた。
そして背後から瞬歩で近づき頭を叩き割った。
「ふぅ、終了♪」
(←)
- 12 -
prev|next