「しつこいのよ!さっさと帰って」
「うるせー女だな」
「黙らせるか」

男たちはボールを手に構える。

「そんな、2対1なんて卑怯よ!」
「だいじょーぶ。あたしも参戦するから」
「ココ!?」

いきなりの登場にヒカリはぎょっとしていた。ナナカマド博士もあたしに気づいていたかったみたいで驚いていた。あたしは構わず「いえーい」とピースをする。そしてギンガ団に向き直って睨み付けてやる。

「いたいけな女の子を男二人で襲おうなんていい度胸してるね、あんたら」
「は、ガキが一人増えたくらいじゃ何も変わらねえよ」

余裕綽々といった感じでギンガ団は笑う。子供だからってなめんなよー。

「やっちまえ!ニャルマー」
「行け、ズバット!」
「愛和、頼んだよ」
「ポッチャマお願い!」

それぞれボールを投げる。愛和はあからさまに負のオーラを出してあたしの腕から飛び降りた。

「ニャルマーひっかくだ!」
「ズバット、きゅうけつ!」

男たちの指示に二匹が飛んでくる。あたしは焦ることもなく愛和に指示を出す。

「リフレクター」
『本当は叩き潰したいところですがね』

愛和は小言を言いながらも自分とポッチャマの前に壁を張る。仕方ないでしょ。今あんたを暴れさせたらポッチャマが危ない。それに、何かしらの癖が出て元々ギンガ団に捕まっていた事がバレてもいけないし。
渋々愛和が張ったリフレクターは物理に強くなる技。ニャルマーとズバットの攻撃は壁に阻まれて愛和たちには届かなかった。

「ありがとう、ココ」
「いえいえ。さ、ぶっかまそ?」
「うん。ポッチャマ、バブルこうせん!」
「愛和、サイコキネシスで相手を押さえて」

ちょこまかと動かれては技も当たらない。でも動きを止めてしまえばそれまでだ。

『うわあ!』
『ぎゃあ!』

そしてバブルこうせんは見事命中。結構な威力だったためニャルマーとズバットは倒れてぐるぐると目を回していた。

「やったね、ポッチャマ」
『僕の実力なら当たり前だよ!』
『私のサポートあってこそのバブルこうせんだったでしょうに…』
「はいはい、不貞腐れないの」

えへん、と胸を張るポッチャマに愛和はぶつぶつと小言を言っている。苦笑しながら抱き上げて頭を撫でてやるときゅ、と首元に抱きついてきた。な、愛和がデレた、だと…!

「くそ…」
「どうする。もうポケモンいねーぞ」

したっぱらしき男はしり込みしていた。あたしは急に仕掛けてくる可能性を考えて愛和を肩にのせる。これなら両手使えるし、いざというときは愛和にナナカマド博士の方に退避してもらえばいいし。

「…こうなったら、力ずくだ!」

ギンガ団は二人で走り出した。強引に素手でボコす気だ。あたしはヒカリをとっさに背中に隠した。そのとき、一体の大きなポケモンがとてつもない速さで現れ、男二人を吹っ飛ばした。




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