「おーい!!ココー!!」
「ん?」

名前を呼ばれて振り返れば幼馴染みであるせっかちな金髪が手を振りながら走ってきた。

「おージュンじゃん」
「お前、知らないうちに出発するなよ!!」
「いやいや、あんたらバトルしてて収拾つかなさそうだったじゃん」

軽く手を振ればジュンは悔しそうに地団駄を踏んだ。いやね、あれだけ白熱してたのに一人先行くねなんて雰囲気的に言いにくいからね。それにあたしは早く出発したいからあたしも入れて!なんて言えなかったし。そんな思いはジュンには伝わらなかったようで不機嫌そうにあたしを指差した。

「お前ともバトルしたかったんだよ!!」
「あー……」

やっぱりバトルに参加するべきだったみたいですはい。

「じゃあやる?」

ジュンがあまりにも悔しそうにするからここは相手にならないと、ねえ?あたしが提案すれば、ジュンは笑顔で頷いた。

「じゃあオレンジ、レモンよろしく」

あたしがそう言えばジュンと愛和は驚いてあたしを凝視した。対するオレンジとレモンは準備体操と言わんばかりに跳んだり体を伸ばしたりしている。

「何でだよ!?新しくもらったポケモンでバトルしようぜ!!」
『ココ!私は戦えます!』

愛和が声を荒げたのに対して反対の声をあげたのは双子のイーブイだった。

『強がんな、バカ』
『ホント、愛和ってバカだよねー』
『なっ…!』

あたしは更にムキになって反論しようとした愛和の頭を撫でるとキョトンとしてあたしを見上げた。それが可愛くてつい頬が緩む。

「別にね、この子、愛和をバトルに戦わせたくない訳じゃないの」

あたしの言葉にジュンは訳が分からないと言うように首をかしげた。

「ジュン、今手持ち何体いる?」
「ヒコザルとムックルの2体だけど」

ジュンはまだあたしの言いたいことが分からないようで未だに首をかしげている。

「ねえ、ダブルバトルしようよ」




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