「この町を出たら次はどこに行くのです?」
「んー、とりあえずクロガネかな。ソノオよりは近いし」
「じゃあ10時くらいにでるか?迷わず行けば昼過ぎには着くだろうし」
「そうだね。じゃあ10時出発で」
「そんなことよりフレンチトースト食べようよー」

こんな会話をしたのが数時間前。今は203番道路を愛和を抱き抱えながら歩いています。ちゃんと原型ね。擬人化してたら……うん、やめよ。朝の二の舞になる気がするからやめよ。ちなみにオレンジとレモンは原型で私の両サイドを歩いてます。

『ココ、そろそろ下ろしていただけませんか』
「え、やだ」
『オレンジ、代わってください』
『えー?愛和ってば朝はココのこと襲おうとしたのに今は照れてるのー?』
『………』

オレンジの笑顔の発言に愛和は諦めたのか大人しくなった。あれー、オレンジってなんか旅出てから微妙に黒くなってね?あれ、あたしの癒しはどこ行った?あ、愛和がいじられやすいだけか。

『丸聞こえですよ、ココ』
「え、あたし口に出してた?」
『いえ。私の能力です。ラルトスが気持ちポケモンといわれているのはご存じで?』
「つまりあんたが能力制御すりゃいい話じゃん」
『これだけ距離が近いと嫌でも聞こえるんですよ』
「ふーん」
(何でそこで下ろしてくれないんですか!!)

腕の中で項垂れた愛和は可愛かったですはい。

「別にいいじゃん。愛和抱き心地いいし」
『抱き枕感覚か』
「あははは」
『笑って誤魔化さないでください!』
「だって抱き心地良いのは事実だし」

ぎゅーっと強く抱き締めると愛和は両手で強く押し返してきた。別に恥ずかしがらなくてもいいのに…。



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