「あ、そうだー」

オレンジはなにかを思い出したようで、食料を積めてきた鞄を漁り出した。

「何漁ってるの?」
「んー?ココの忘れ物ー」
「え、あたしなんか忘れ物したっけ?ていうかそれなら最初に出そうよ」
「あった!!」
「スルーか」

オレンジはあたしの発言を堂々とスルーし、小さな小物入れを差し出してきた。

「あ、これ…」
「なんですか、それ」
「マグピケース」
「……はい?」
「これ、入れてるの」

そういって自分の耳についたピンク色のマグネットピアスを指す。見せると愛和は納得したようで、あたしはそんな愛和をよそにケースを開いた。えーと、黄緑黄緑…

「あ、これでいっか。はい愛和」
「はい?」
「つけるから髪分けて耳出してー」
「こう、ですか?」
「うん。動かないでね」

愛和の髪と同じ色のマグピをつけると、違和感があるのか愛和は少し顔を歪めた。

「変な感じする?」
「少し痛いくらいですが、やはり違和感がありますね」
「つけてたらその内慣れるさ」
みんなお揃いだねー」
「ねー」
「キモい」
「黙れ」

オレンジは嬉しそうに笑って、レモンも毒を吐きながらも微笑んでいた。愛和もそれを見て笑ってて、あたしはこれからの旅が今みたいに幸せで楽しい旅になればいいと願っていた。



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