「ねえココ、ここに着くまで何もなかった?襲われたりとかしなかった?」
「だ、大丈夫だよ」
「変な害虫は……もうついてやがるか」
「おや、何故私を睨むのです?」
「しらばっくれるなよ、変態」
「さて、なんのことやら」
「てめえ…」
「はい二人とも喧嘩しない」

バチバチと火花を散らす二人の間に割って入る。きっとすぐに大喧嘩になる。そう思って止めに入ったが、それが間違いだった。矛先は私にに向いてしまいました。

「大体ココ!!お前は少しは危機感持て!!」
「えーー!あたしが悪いの!?」
「そうだよ!!男はみんなグラエナなんだよ!!食べられちゃうんだよ!!」
「酷い言われようですねえ」
「だ、大丈夫だから。もし襲われたらうでひしぎ決めるから」
「スカートでうでひしぎなんかすんな!!背負い投げにしろ!!」
「そこ突っ込むとこですか?普通女性がうでひしぎというところに…」
「じゃあどうやって逃げるんだ!!」
「ああ…はい…そうですね…」

愛和は自分は最初はどちらかと言えばボケでなかったか、なぜ最後はツッコミにまわって、しかもそれが一蹴されているのだと頭を抱えた。しかしこれが彼らの日常なんだ、もう突っ込むまいと愛和は自分に言い聞かせるのだった。そうする以外に自分を納得させる方法がない。
その間にもレモンはココに危機感を持てだのなんたらかんたらと膝詰めで説教をしていた。ココは愛和に襲われたのも同然なのでただただ大人しく説教をされているより他ない。説教はかなり昔の事まで引っ張り出されているようで終わりそうにない。愛和はどうにかして止められないかと思ったが、恐らく先程のように一蹴される事は目に見えていたので諦めた。そのとき、

グウーー…

「……………」
「……………」
「……………」
「…えへ、お腹空いちゃった。レモン何か作ってー?」

お腹を押さえて苦笑いするオレンジにレモンはため息をついて彼らが持ってきたらしい買い物袋を漁った。

「フレンチトーストでいいか?」
「やった!!フレンチトースト!!」
「愛和は食えるか?」
「あの、フレンチトーストってなんですか?」
「え?」
「え?」




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