新しいクラスになり早二週間。
今日のHRでは委員会決めが行われていた。
もちろん赤也は委員会にはいるつもりはなく、さっそく昼寝をしている。
瑞綺は入る委員会を決めてあるようで、担任の話をしっかり聞いている。
それから数十分後。
「起きろ、切原」
「ぁでっ!!」
赤也は瑞綺に分厚い本の角で殴られて起こされた。
赤也は相当痛かったらしく、頭を押さえている。
「〜っ!!痛ぇだろ!!」
「うるさい。起こしてやったんだから感謝しろ。もう部活の時間だ」
「へ?」
時計を見るとあと30分ほどで部活開始だった。
教室にはもう赤也と瑞綺しか残っていない。
「あ、サンキュ・・・」
「ん」
赤也は遅れないように用具を片付けながら瑞綺に訊ねた。
「そういやお前、委員会入った?」
「あぁ、図書委員にしたよ」
「ふーん」
「じゃあ、あたしは行くから」
瑞綺は時計を確認し、荷物を背負った。
「どうせなら途中まで一緒に行こうぜ!!」
「は?」
教室を出ようとしたら赤也に腕をつかまれた。
嫌そうな瑞綺とは対照に赤也はニコニコしている。
「断る」
「何で」
「特に仲が良いわけでもないアンタと一緒に行動する理由がない」
「そんなこと言わずにさ」
「―っ、いいから放せ!!」
瑞綺はバッと手を振りほどき、全力で走り出した。
「あ、おい!!」
追いかけようと思ったが瑞綺の足は意外にも速く赤也でも追い付けそうはなかった。
そして
「あいつ、何であんな泣きそうな顔したんだよ・・・」
赤也は時間を忘れ、瑞綺が走り去った方をただ見つめていた。
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