「きょーうーやーさんっ!」
「なに」
「私、もう恭弥さんのこと好きじゃなくなりました。嫌いです」
「…は?」
「だから、大っ嫌いです」
「…ああ。今日はエイプリルフールだったね」
「え、…え、ちょっ!何で気づいたんですか!?もうっ!私、ここ一週間かけてこの日のために『嫌いって言って恭弥さんを動揺させて、どうにかして好きって言わせるぞ☆大作戦』を必死に考えてたのにぃ!!」
「君ってやっぱりネーミングセンスないね。馬鹿丸出し。それに何より、君が僕のことを嫌いになるわけがない」
「何その自信!いや、当たってるんですけどね!?そうです。私が恭弥さんを嫌いになるはずがありません。超大好きです。愛してます。結婚してください!」
「やだ」
「うぅっ!……じ、じゃあ付き合ってください!」
「やだよ」
「くぅっ!……なら、好きか嫌いか答えてくださいよ」
「好き」
「…………え?」
「だから、好きだよ」
「あ、え、えっ!?」
「…顔、真っ赤だね」
「す、き…?……いいい今、好きって言いましたよね!?」
「うん」
「そ、それじゃあ」
「でも、今日はエイプリルフールだよ?」
「………は、え?」
「今の言葉が本当か嘘か。君の可哀想な頭でしっかりと考えな」
「き、き、恭弥さんの小悪魔ぁぁぁああああ!!!!!」
「ってことがあったの!で、骸はどっちだと思う?」
「…君がエイプリルフールという行事に肖り嘘をついたことを、恭弥君は多少怒っていたみたいですね」
「まあ、あの人は嘘が嫌いだからね」
「(馬鹿…)今のがヒントです。後は自分で考えなさい」
「へ?ちょ、今のどこがヒントなの!?」
「……馬鹿。あなた、本当に馬鹿ですよね。何でわからないんですか」
「馬鹿って何回…」
「もう僕は帰ります、さようなら」
「へ!?む、骸待って!……………骸ぉぉぉおおお!!!!!」
さあ、恋の勉強の時間です
(嫌いと言われたことに何も感じないのであれば、仕返しする必要もないのですよ、お馬鹿さん)(骸行っちゃった…)(…何で僕はあんなことを言ったんだろう)
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