03
頭撫でられたり髪の毛を弄られたり彼に好きなようにさせていたら、ふぁっと欠伸をして口を開いた
「そう言えば今日休みか…」
「そうだよ?だから泊まってんのに…」
「んー…」
まるで猫のように俺の首元に顔を埋めてきた
茶色に染まった綺麗な髪が、少しちくちくする
でも何かいいな、これ
先輩が甘えるなんて珍しい
「いや、さあ」
「…?」
顔を上げずに喋り出す先輩
首に当たる吐息がくすぐったい
「お前がこの家にずっといたらいいのに」
そっか…
先輩は照れてるんだ
照れ隠しするために顔を埋めてるんだね…
いつもしてもらってるように、俺も先輩の髪を撫でる
「もうすぐ叶うよ…」
そう、もうすぐ
俺が一人前の社会人なったら
必ず
「ん…そうだな」
「うん…」
まだ時間はたくさんある
照れ隠しする先輩に時間を与えようベッドから出るのは
まだ先だ
continue...
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