10
ふかふかのベッド
どこからか漂うシャンプーの香り
窓からのぞくお月様
今宵も体は縺れ合う―――…
「ふっ…はあ、」
シーツの擦れる音を聞き入れながら、先輩が触れる肌が過剰に反応する
「んあっ―――…」
「きもちい?」
「ん、きも、ち…んあ、」
聞き慣れたはずなのに、どうしてベッドの時は一層甘く聞こえるんだろう―――
生理的に流れた涙を拭う指先も、
髪を掻き分ける指先も、
全部全部、俺のもの
「―――大丈夫?」
「んん……へーき」
素肌と素肌を合わせ寄り添う2人
まるで温もりを混ぜ合わせ、お互い共有するように
「せんぱ、」
「…ん?」
「…すき、好き」
「うん、俺も」
瞼がだんだん重くなる
聞こえる声はもう眠り歌
俺と先輩の赤い糸は
決して千切れない
そして永遠の誓いを
契るのだ―――…「愛してる」
end
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