09
机の上には、食べ終わって何もないお皿
少し焦げてたけど、全然おいしかった
「ビール入れて」
「はーい」
ビールを注ぎ、先輩を見つめてみる
悔しいぐらいに整った顔に思わずうっとりする
俺の視線に気づいたのかこちらをちらりと見て、その紅い唇の口角を吊り上げた
そしてもう一口と、コップに口付ける
「見惚れんなよー」
「…もう見惚れちゃってる」
「はは、言うね〜」
そういえば、付き合いたてにもそんなこと言われたっけ…
でもその時はこんなうまく対処できずに、顔真っ赤にさせてうつ向いてた気がする
でもそれって、慣れるだけ一緒にいる証拠だよね?
「夜にはお前食べなきゃなー」
「俺は食後のデザート?」
「いやー…酒のつまみかもよ」
「―――色気ない」
「すねんなよ」
つまみなんか言われたら、おまけみたいな感じじゃないか
うまいタイミングにお風呂が沸いた音が鳴る
「よーし、お前は体冷やしてこいよ」
「それを言うなら温もるでしょ?」
「デザートは冷やすもんだろ?」
「〜〜っ!ばかっ!」
恥ずかしくなってお風呂に逃げ込む
やっぱ俺は先輩には叶わない
ほかほかのお風呂にぽちゃりして、
夜の為に
シャンプーというお化粧を[ 11/14 ][*prev] [next#]
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