09




机の上には、食べ終わって何もないお皿


少し焦げてたけど、全然おいしかった


「ビール入れて」

「はーい」

ビールを注ぎ、先輩を見つめてみる


悔しいぐらいに整った顔に思わずうっとりする


俺の視線に気づいたのかこちらをちらりと見て、その紅い唇の口角を吊り上げた

そしてもう一口と、コップに口付ける




「見惚れんなよー」

「…もう見惚れちゃってる」

「はは、言うね〜」



そういえば、付き合いたてにもそんなこと言われたっけ…


でもその時はこんなうまく対処できずに、顔真っ赤にさせてうつ向いてた気がする



でもそれって、慣れるだけ一緒にいる証拠だよね?





「夜にはお前食べなきゃなー」

「俺は食後のデザート?」

「いやー…酒のつまみかもよ」

「―――色気ない」

「すねんなよ」



つまみなんか言われたら、おまけみたいな感じじゃないか



うまいタイミングにお風呂が沸いた音が鳴る




「よーし、お前は体冷やしてこいよ」

「それを言うなら温もるでしょ?」

「デザートは冷やすもんだろ?」


「〜〜っ!ばかっ!」




恥ずかしくなってお風呂に逃げ込む


やっぱ俺は先輩には叶わない




ほかほかのお風呂にぽちゃりして、




夜の為に
シャンプーというお化粧を









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