08



飲み終わったので、ハンバーグ作りを始めた

料理できない俺だけど、こねたり丸めたりはさすがにできる

久しぶりに2人でキッチンに並ぶとどきどきした

いつかあげたプレゼントの黒いエプロンを着る先輩は見惚れるくらいかっこいい



「見惚れる暇あるなら、早く用意しろよ」


ばれちゃった

自意識過剰みたいな言い方だけどあってるから少しむっとした


でも俺の扱い慣れてるから、ぽんぽんと頭撫でられただけで、すぐに機嫌は元通り




「あとちょっとかな」

フライパンに乗せて蓋を被せて待っていた


わくわくしながら待ってたら、急に黒い影に包まれて、



その影が先輩だと気づいた時には唇が塞がれていた


「ふっ…ん…」

深いキスに溺れそうになる


時折撫でてくれる先輩の手が気持ち良くて、ふわふわして、


「あっ…ん、ふっ…」


舌が舌を絡めとる―――…




ふと、先輩が顔を上げた

とろとろになった自分は、何で先輩が急に顔を上げたのか、その時は分からなかったけど、すぐに分かった


「うぅ…臭い…」

「こげちゃったわ」

蓋を上げた瞬間に、焦げ臭いにおいが広がって、少し顔をしかめる


「まあ食べれる食べれる」


そう言ってお皿に盛り付けてくれた

一緒に作ったハンバーグは焦げちゃったけど


愛があれば何でもおいしい…




「「いただきます」」








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