通勤時に




(やっと帰り…なのに。まあいつものことか。)

社会人1年目、つまり去年大学を卒業した俺はある金融関係の会社に勤めることになった。

その会社は電車で30分、乗り換えてまた20分程かかる所にある。

そして、ただいま帰りの電車の中。

朝の通勤ラッシュとまではいかないが、会社員で賑わう夕方の電車もなかなか大変だ。

無理矢理乗って、ドア付近に着いた。

ふと外を見ていたら思った以上に暗くなっていた。

自分の顔が窓に映るぐらい。



「……っ?」


先程から太股辺りに違和感を感じる。
たまたま誰かの手や鞄が当たっているのだろうか…

そう思っていた、

「―――っ!」

だけどたまたまなんかじゃない。
お尻に手が回ってきた。


(ち、痴漢…!?待てよ、俺男だし…)

窓越しに周りを観察しても、人が多すぎて判断しずらい。

すると、痴漢の手はどんどん前に向かってきた。

「っ!(やだやだ、だめだって!)」

手で阻止しようと試みたが、右手は鞄を持っているため動かせないし、左手は手摺に捕まっていたため降ろす余地がない。

俺が抵抗できないことを知ったのか、チャックをゆっくりゆっくり下ろしてきた。

「〜〜〜っ!!」

パンツ越しに、そわ…と撫でられて、少しずつだが固さを増す。


『なに?感じてる?』

「は、っ…やめ、ろ」

急に後ろから…おそらく痴漢だろう、声がかかった。

反抗的な言葉を吐いたつもりだが、さっきから触られていることから変な声がでそうになる。

『くすくす…こんなに勃たせちゃって。直接触ってあげる』

「ん、…や!、」

とうとう下着の中に手を入れてきた。
さすがに感じる。

よく耳を澄ませば、卑劣な音が聞こえてきた。

くちゅくちゅちゅ、

「ひっ、ぁ…や、」

『感じてるの?まあこんなに濡らしてて感じてないわけないよね?』

耳元で囁かれる言葉はまさしく言葉責めのようで、どんどん俺を支配していく。

『音聞こえるね…誰かに聞かれたらどうする?興奮しちゃうね…』

「あぁっ…(ぁあっ、きもちぃどうしよ、あぁんっこうふんしちゃっひぁ!)」

頭の中はもう快感に飲み込まれていて、一応ばれてはいけないということは分かるが、それすら分からなくなるのも時間の問題だろう。

『…辛そうだね?もっとしてあげようか?』

「ん…く、ぅぁっ(はあ、ああっあんあん、してほし!ぁぁあっ!きもちぃっ)」痴漢は手で竿を擦りあげたり、亀頭を爪で刺激したり。

イきたい…

「ぃ、いきた…」

『えーイっちゃうの?』

「ぃきた、ぃれすっ…も、っとつよ、く」

『あらあら、淫乱になっちゃったね…電車の中で精液だすの?』

「あ、だめ…、ぃや…(だしたぃ!ぃきたぁっ!んあっひぁぁあっ!ぐちゅぐちゅ、してぇ!!)」

頭の中の思考を思わず口に出しそうになる。

“イきたい”という感情だけが、頭にしかない。

『じゃあ俺の手の中でイきなよ?』

痴漢は思いっきり擦りあげた―――。


「ん――――っ!!(ひぃぁああっ!!びゅるびゅるきもちぃよぉっ!ああんっきもち、でんしゃでぇせーえき、だしちゃったあっはああんっ!)」






いつのまにか駅に着いていて、思わずズボンを見たら何もなかったかのように綺麗に直されていた。

俺はあの時の行為を思いだし、構内のトイレに駆け込んだ。






「ああんっ!きもちぃ、!ぐちゅぐちゅー!ああんっひぃあっ!」



俺は目覚めてしまった。

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