少女漫画脳夢主と兄様。


｢ブラギンスキさあああああーん！｣

｢げっ……｣

｢こんにちは、お久しぶりです！しばらくぶりですね、久々に見た貴方さまの雪景色の髪に菫の瞳……なんてお美しいんでしょう、私の愛しの王子さま！｣

｢…………｣

｢何ですか、私を見た途端その嫌そうな顔……素敵です！｣

｢そ、そう……｣

(もうやだこの子、第二の妹だよ……いやもしかするとこっちのがタチ悪い……)

｢それにしても、ようやくお暇頂けたので会えて良かったです！ブラギンスキさんも、いつもお仕事がお忙しそうなので中々お会いできなくて。あ、そうだ！宜しければ今度是非執務に勤しむお姿も見てみたいです！とても素敵なんでしょうね｣

｢……うん、ソウダネ｣

(露骨に避けてるつもりなんだけどなぁ、なんで分かんないのかなこの子は……それにしてもよく喋る喋る)

｢ようやくお会いできた今日、お日柄が良くて良かったですね。あっそう言った途端、見て下さいブラギンスキさん！吹雪です！｣

｢吹雪だね｣

｢雷です！｣

｢雷だね｣

｢竜巻です！｣

｢竜巻だね｣

｢ロマンチックです……｣

｢どこが！？｣

｢ブラギンスキさんと一緒だからです！｣

｢……………そう｣

(もうやだこの子、調子狂う……)