ずっとずっと、地球がなくなっても


「ふわぁー、よくねたぁ」


私のベットで大きくのびをする彼女。
んぅー、と声を漏らしている。付き合ってから半月ほど、彼女は私の部屋で寝泊まりするようになった。


「おはようございます、ユリ」

「おはよう、アポロ。」


彼女はあどけない笑顔を浮かべて笑っていた。
本当に人を殺したのか、というくらいに。


「今日、私は任務で少しでかけますが、」

「ん、ね、私もついていっていい?」

「駄目ですよ、今日は危険ですから」

「き、危険?」

「まぁ、少し」


私がそう言うなり、
彼女は無言でこの部屋を出て行こうとした。


「ユリ、?」

「私、アポロと別れる
うん、ロケット団も辞める。」

「何をいって、」

「あー、飽きちゃったのよ。ごめんね、」



彼女の笑顔は偽者だった。
飾り付けられたケーキのように綺麗だったけれど、
ガラス細工のようにもろく、寂しそうなはかなげな笑顔。


「こっちを向いてください。
 ユリ。」


「嫌、」


「ユリ、」


「なによ、」


こっちを向き、ぎっとにらみつけられた。
全然怖くはないけれど、


「ユリ、
本当の理由を、いってくださいませんか」


「私がロケット団辞めるのに理由が必要なの、
アポロと別れるのにも理由が必要?」


「必要、では、ないのですが、
納得できません。」


「必要ないなら
いわない、いいたくない」


「嫌です、
聞かなきゃ納得いかない
あなたと、別れたくない、」


「、」


「貴方のそばにいたい、
 貴方が好きです。ずっと、」


彼女は私が触れようとすると
体をこわばらせた。
肩が跳ねた。


「アポロ、
ずっと、ずっと、そばにいる?
私への愛は、永遠かしら、?」


「は、」


彼女の声は震えていた。
彼女が震えるところも
体をこわばらせるところも
はじめてみたのだ。
なんと声をかければいいのか
、ついわからなくなってしまった。


「怖い、怖いのよ
アポロ、永遠がないなんて
貴方と付き合ってみたら
貴方を失うのが怖くなった。
貴方ナに見捨てられるときが来るかとおもうと
っ付き合うのが嫌になった。
いずれ貴方は私を好きじゃなくなるわ。
いくつもの季節がめぐれば、貴方の心も変わって
ほかの誰かをおもうときが来るのでしょう。」



「ユリ」


「嫌なのっ、
怖い、怖いのよ、アポロ、
あんたは、私を、っ」



「見捨てたり
嫌ったりなんてしませんよ。
この愛を永久と呼べる。
愛しています」




抱きしめた彼女は
華奢で、ちいさく
一生守ってやりたいとおもった。




(だいすきですよ、)



(嘘だったときは、
殺してやるから、)



(じゃあ一生殺されませんね)


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