虹のあしもと


「アポロー、
 虹の足元には宝石が埋まってるって知ってる?」

「はい?」


アポロの自室で、
仕事中のアポロのいすを揺らしながら
問いかける。
わたしの問いにアポロはさめたようにいった。


「なにいってるんですか、
 虹の足元なんて何もありませんよ。」
「えー、
 あるんだよ、知らないの?」
「馬鹿にしているんですか、」


いまだに私の方をみないで、
書類に視線を向けているアポロに
わたしはすこしむっとした。
仕事大好き人間めっ!


「ねねね、
 アポロ、次の休み出かけない、?」
「相変わらずコロコロ話題を変えますね、」
「ね、駄目?」
「駄目ですよ、書類整理が残っているんですから」
「ランスさんに押し付けようよ、」
「意外と、ランスに厳しいですね」
「えへへ、ありがとう」
「ほめてません」


かりかりかり、アポロがペンを走らせる音が室内に響く。
本当に仕事熱心だなぁ、
ペンをあごに当て、書類とにらみ合う姿は
本当に絵になる。かっこいいからね、


「ね、出かけてくれないの、?」
「……」


ついにシカト作戦が開始してしまったようだ。
アポロはわたしの話に返事をしない。
しかたないなぁ、
肩をぐっとつかんで
アポロの頬にちゅっとリップ音を立ててキスを落とす。


「な、」


めったに動揺しないアポロがすこしたじろいだ。


「行こうよー、!
 ね、!」

「負けましたよ、
 ただし、今からいきましょう。
 次の休みはいつになるかわかりませんから。」

「やったぁ!アポロ優しいね、」



そう二人で行きこんで
私服に着替えて、アジトを出ようとする。
玄関を開けると、ザーっと雨が降っていた。


「ふふっ、アポロってば
 雨男だねぇ、アポロと出かけると
 雨が降るもん、わたし晴れ女なのにな、」

「わるかったですね」

すこし、すねたように、アポロはむっとしていた。
私は味とのかさたてから傘を一本拝借し、
ばさっと開いた。


「いいよ!
 相合傘してこう、よ!」


私がにっと笑うと、
アポロもふっと笑って、私の肩を引き寄せた。
いきなり体制を崩されてしまったので
わわっとアポロに突っ込んでしまった。


「、雨、ちょうど良かったですね。」

「ん、アポロのそば好き。」

「私もユリのそば、好きですよ。」


それからは、どこいくというわけでもなく、
二人で食事したり、
買い物したり、
ポケモントレーナーつぶししたり。


いつのまにか、夕暮れだ。
雨も上がってしまっている。
せっかくの相合傘もおしまいだ。


「ふわっ、たのしかったあ!」

「随分とはしゃでいましたね、」

「だって、楽しいんだもん、
 あーでも、アポロと一緒にいるとみんな振り向くねぇ
 かっこいいからね、私の彼氏。
 私がうらやましいのかな?」


アポロはいわずもがな、
私の自慢の彼氏だからねっ、!
と私が笑いかけると、
アポロはは意地悪な笑みを
浮かべた。



「じゃあ、もっとみせつけましょうか、」



アポロは、腕をひっぱり、
頬に手を当てて、私に口付けた。
3秒くらいの、フレンチキス。
そして、バタフライキス。



「大好きですよ、ユリ」


「私も、だいすき!
 ね、アポロ、あれあれ!!」


私がアポロに抱きつきながら指をさす。
その先には大きな虹。
孤を描いて、聳え立つように。
虹の足はあの大きな空に吸い込まれている。
もう一個の足は私たちのほうに流れるように。


「ねっ、アポロ。」


(にじのあしもとには、らぶという名の宝石が
 うまってたでしょ?)
(ふっ、そうですね、)


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みに画#倉庫
からおだいを借りさせていただきました…!

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