仕返しは二人で、慰謝料と。


(なんなのよ、)
(なんですか、)




いじめられた。
あいつの、ファンクラブだか、
なんだかの団員に。
おもいっきり、おなかを殴られて、
倒れたわたしの、髪の毛をつかんで、
彼女達はこういった。
「ランス様のそばにいないで、
 ランス様が汚れるわ。」
そういって、わたしは沼に顔をつっこまれた。
気持ち悪い、腐った水草やら、虫の死体やら、
コケだとか、吐き気がした。


「ごほっ、けほっ、
 はぁ、」


こいつらに屈する気になんてなれなかった。

腰のモンスターボールから、トゲキッスをさして、
ひくい声で指示を出した。


「はかいこうせん、」


わたしのトゲキッスは思いっきりエネルギーをため始めた。
さっきの彼女らは「ひっ、」と小さく悲鳴をあげて、にげていった。
だらしない、。
わたしをいじめるなら、もっと覚悟してくりゃいいのに。
にしても、気持ち悪い。
顔にべたつく、こけやら、
あいつらにけられた団服やら。全部全部
吐き気がするくらい気持ち悪い。
モンスターボールから、シャワーズを出して、
「わたしに軽く、みずでっぽう、してくれる?」
といえば、シャワーズはわたしの汚れを落とすように
優しく水をかけてくれた。


「ふふっ、ありがとう、
 トゲキッスもありがとね。」

団服はなおさらベちゃベちゃになったけれど
さっきより幾倍も良かった。
もっともっとおもいっきり水を浴びて
汚れを、落としたい。
そうおもった。

そのときわたしの視界にランスがはいった。
ランスはわたしのほうにだんだんと近づいていく。


「どう、したんですか。
 そんなにぬれて、」

「、わたしが貴方の近くにいる
 のが気に食わない人たちに、沼に押し付けれられたから
 シャワーズに汚れを落としてもらったの。」

「え、」

「あいつら、わたしが幹部ってことわかってるのかしら。
 減給してやりたいわ。」



ランスは、自分の団服を
何もいわずに脱いだ。
その団服をわたしに差し出す。
ああ、ランスの団服のしたはYしゃつだったんだ。
不覚にもそんなことを考えてしまった。


「着なさい、
 そのままだとかぜひ着ますよ、」

「いいよ、
 大丈夫。
 かぜひいたら、あいつらから
 慰謝料とるもん。
 100万円くらい。」


ふふっと笑った。

「ごめんなさい、
 わたしのせいで、」


ランスはわたしの手を強く引っ張って抱きしめた。
あったかい、


「ランスも濡れちゃうよ
 風邪ひくよ、」


「そのときは100兆くらい
 あいつらからとりますから。
 すみません、守ってやれなくて、」


「いいのよ、
 ランス。」


「今度からは守りますから、」


「いいのいいの、!
 わたしは、あんたの隣にいれるだけで。」



(あいつらにランスの隣は渡さないんだから)
(それが最高の仕返しってことね。)

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