語彙力!


「おもいー、ねぇ、
 アポロー、これじゃあ、アポロの雑用じゃんか、」
「黙って運びなさい、
 書類を生徒会室に持っていくだけなのですから」
「だって、」

あれから6日。
私はこうして放課後毎日働いている。
こんなの理不尽だ。
書類って結構重たいんだよ!と騒げば、
アポロは呆れた目で私を見た。
うぐっ、と何も言えなくなった私。
はぁ、とため息をつかれた。


「仕方ないですね
 まったく、おまえは。」


手の力が一気に抜けた。
アポロが、書類を私から、とってくれたのだ。
すたすたすた、前を歩き進める、
生徒会長様にとびついた。


「アポロ、優しい!
 さすが私の幼馴染だね、」
「かりにも、お前は私の可愛い幼馴染
 ですからね。」
「おお、でれたね、!?」
「可愛いはよけいでしたか、?」
「んーん、嬉しいよ!」


ああ、やさしいなぁ、
ランスと違って。
ほら、目の前に冷酷男様だ。


「ああ、また生徒会長の手を煩わせてるんですか?」
「ランス、と違って、アポロは優しいの!」
「うるさい、一般生徒が。」
「酷いなぁ、!」


クックッとのどで笑う副会長。
こんなのが副会長だとおもうと
がっくりうなだれる。


「さぁ、私の書類整理を手伝ってくださいよ。
 雑用係さん。」
「う、かしこまりました。」


此処六日間いつもそうだ。
会計のアテナさんと
書記のラムダさんは優しいから、
雑用を押し付けてこない。
アポロは、自分の仕事に熱中。


よって、ランスだけが私に雑用を押し付けてくるのだ。


パチパチ、ランスの隣りに座って、ホッチキスで書類を綴じる。
ちらり、横を見れば、
ランスは書類とにらめっこしていた。

黙ってれば、可愛い顔立ちしてるのになぁ、


パチパチ、パチパチ、


早く、仕事を終わらせなきゃ、。



「ユリ、大丈夫?
疲れていないかしら、?」
「アテナ先輩、
全然大丈夫です!
ありがとう、ございます!」

私がアテナ先輩と話していると、ランスは「随分と私の時と態度が違いますね、」と悪態をついた。

「あらあら、ジェラシーってやつね、?ランス、」

「違いますよ、!!」


アテナ先輩がランスをからかってるみたい。
ランスは顔を真っ赤にして、「早く仕事しなさい!」
と私に言った。
あれ、ジェラシーってなんだっけ、


「アテナ先輩、
ジェラシーってなんですか?」


私が問えば、
アテナ先輩とラムダ先輩は一瞬きょとんとして、アポロは飲んでいたお茶を置きながらせき込んでいた。


「わっ、大丈夫?
アポロ、」

「ユリ、おまえは、
ジェラシーという単語も 分からないんですか、
くっ、ざんねんでしたねぇ、ランス」


アポロは至極楽しそうに笑っている。
アテナ先輩も笑いながら、「教えてあげましょうか、」と言ったけど、ランスが「うるさいですよ、!!
仕事をしなさい!仕事を! アポロもいつまで笑ってるんですか!」

と必死になっていっていたので、教えてもらえなかった。



(今度ジェラシーって意味調べよう)

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