二度あることは三度ある
「じゃ、もう腕はくっついたのかよ?」
「おう、なまえの心霊医術のおかげでな。
腕力も前以上になったぜ。」
なんならテメーの体で試してみるか?
という桑原の挑発に
やめとけと制する幽助。
話しは修行の話しになり、その話しを聞いて桑原は心底継承者にならないでよかったと思った。
「...つけられてるぜ。」
幽助のその言葉に後ろをちらりと見れば、ぞろぞろとガラの悪い学生がつけてきていた。
――――空き地にて
皿中No.1の桑原様だぞこら!
と桑原がのたまっていると、学生たちは刃物を抜きだした。
「お、おい!こいつら切れてるぜ!
いきなり光モン抜きやがった!!」
そんな声に構わず刃で斬りかかってくる。
「ころすころすころすころす...」
「こいつらヤク中か?!目が正気じゃねえ!!」
しねしねーーー!
と斬りかかってくる学生たちに対し、幽助は臆することなく構えの体制に入る。
そして、拳に集中し散弾銃のように霊気を放つ。
すると一瞬のうちに学生たちは倒れた。
「一体何なんだこいつらは?」
「ん?!妙な霊気を感じるぜ!普通の人間のもんじゃねー。」
すると桑原はその人物を見つけるが、逃走をはかられる。
が、その怪しい人物は角を曲がると同時に
ゴンッという音とともに倒れる。
と、そこに現れたのは金属バッドを持ったぼたん。
ぼたんの話しによると、人間界に移住権を求めた四聖獣という妖怪が、この街に魔回虫という人間に寄生する虫をばら撒いたらしい。
その虫を消滅させるには、四聖獣のもつ虫笛を壊すしかない。
幽助は魔界にある妖魔街に行き、四聖獣の持つ虫笛を壊すことを任務として下された。
その頃なまえは、幻海邸にてコエンマからあることを依頼されていた。
「ということじゃ。他に助っ人も呼んではいるが念には念を、お主も妖魔街へ行ってくれんか?」
「...もし今回の件を引き受けたら、今後も幽助の任務に同行させるつもりなんでしょう?
コエンマさん。」
「う...、す、鋭い。
その...なんというか、人間界で動ける霊界関係者が少なくてのぅ。困っとるんじゃ。」
と、本当に困っているんだろう、コエンマは頭を抱えてしまった。
「...以前にも話した通り、俺は霊界探偵やそんなものに縛られたくないんですよ。
善悪は自分の基準で判断したいんで。」
そう、以前にも霊界はなまえに任務の依頼をしていたが、ことあるごとに断っていた。
そして、このお話は...と、断ろうとしたその時
「いいじゃないか...幽助のお守だけしてやっても。」
と、静かにお茶を飲んでいた幻海が口を開く。
「おお!幻海師範...!」
「あいつは阿呆じゃからな。少しの間お前さんが付いといてやれ。」
「...。」
師範にそう言われ、断ることもできず
なまえは結局妖魔街へ行くことになった。
二度あることは三度ある fin.2013.7.16
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