デイダラとトビ
※Twitterお題 リプきたキャラでほのぼの
「ねぇセンパーイ、そろそろ休みましょうよ〜。」
三尾を探しに水の国へ行く途中、後ろから間延びした声を掛けられる。
シカトを続けても、ねぇねぇー団子屋ありますよー。と諦める様子はない。
「口を動かしてる暇があんなら足を動かせ、うん。
それにこの辺は日の入り前に抜けねぇと…」
「わっ、見て見て!見てくださいセンパイ!
わぁキレイなお花ーっ。」
と、道端にしゃがみ込み頬づえをつきながら白い花を見ているトビに、殺意が芽生えるのは当然で爆破してやろうと起爆粘土を練る。
しかし、いつもならこの時点で慌てて弁解する(フリ)のに花を見たまま動かない。
「はぁ…。」
「何だよ気持ち悪りぃな。ため息なんか吐いて、うん。」
「聞いてくれます?センパイ。」
いや、聞かねぇからサッサと立て。と返したがオイラの言葉を無視して語り出した。
こいついよいよオイラを舐めてるに違いない。
「昔好きだった女の子が、こういう花好きだったんっすよねぇ…」
…本当に気持ち悪いわ。
はぁ。と、また吐息を出すトビにゾゾゾっと鳥肌が立つ。
「そんな道端の花にセンチメンタルになる女々しい男なんか好きになる女がいるかよ、うん。」
「センパイはこういう繊細な情緒がなくて、女子にモテなさそうっすよね。」
こいつ本当…
モテないのではなく、オイラの芸術について来られる女がいなかっただけだ、うん。
と、言ったところで
ああ言えばこう言うというのは学習しているので敢えて何も言わない。
しかし未だ動かないトビに段々堪忍袋は膨らんで行く。
「結局告白出来ずに終わっちゃったなあ。」
「…ダッセ。」
そう思わず呟いてしまえば、仮面の穴から大量の水が湧き出る。
こいつホントどんな人体構造してんだ、うん。
「だってだって、その子には好きな男子がいたんすよ?!
そんなあの子が好きだったんです僕は!!」
「わかった、わかったから近い!団子屋行くか!うん!!」
泣きながら迫ってくるものだから、つい折れてしまった。
トビはというと、急にピタリと涙が止まり鼻歌交じりに歩き出す。
その落差に唖然としていると、センパーイ早くぅー!とぶんぶん手を振ってくる。
「ってめぇ、猿芝居かよ!うん!!」
投げつけた起爆年度共に、トビの断末魔が響き渡った。
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