2軍




「3軍隊員、全員外周20周ッ!」

鋭い笛の音と共にそう命じられたのは、今から10分程前の事である。最初の内は多少なりとも鬱勃たる闘士を見せてランニングをしていた者も(多少、と云うのは実はこの前に全力での訓練を何時間も行なっており、既に満身創痍の状態であったが為)今ではその旁魄なコーナーに愕然として、汗を流しながら息も絶え絶えになっているところであった。その情けない状態を見られては鬼のような隊長に怒鳴られるものだから、益々堪ったものではない。隊員はどうも気を抜く者が多かったが、それを統括する隊長には弛みを良しとしない者が多かった。
そのように皆が苦戦している中、1人だけ息を切らさずに上手いペースで走る者がある。メアリであった。彼は既に他の隊員を1周以上突き放していたが、周りはどうしてあんな小さい奴が(メアリは身長も体格も、平均以下であった)――等と己の脇腹を抑えながら怪訝している。メアリがコーナーを曲がると同時、突然横に1人の軍人がやって来た。

「御機嫌よう、メアリ」
「…リリーさん!」
「流石メアリね。あんな特訓をした後なのに息1つ切れていない」

メアリの横に来て一緒に走り出したのは、コーカス軍で鬼百合と呼ばれ今現在唯一の華とされるリリーである。後ろから歓声混じりの大きなどよめきが聞こえてきたのは、メアリは無視する事にした。それにしても2軍から5軍の取り締まりを行うリリーは、普段ならこのような普通の訓練に顔を出す事はないし、ましてや共に走る事など有り得ない。となると自分に何か用があるのであろうか、そう思ったメアリが尋ねる前に彼女から口を開く。彼女は涼し気な顔をしたままで、

「ところでメアリ。2軍入隊許可の手紙は来て?」
「? いえ…未だ」
「相変わらず仕事の遅い事。…この間貴方が受けた基礎体力テスト、射撃テスト及び筆記試験、そして適性検査から3軍に居るには惜しい、と云う事だったわ」
「…詰まり、」
「近々2軍に入るわ。おめでとう」

リリーが嫣然と微笑んでそう通知すると、メアリの顔が明るいものになる。メアリの目標は無論一刻も早くラビに追い付く事だったので、この知らせは心から喜ぶべきものだった。
ところでリリーの走るペースは中々速く、どころか少しずつ速度が上がっているような気がするのは、多分気の所為ではなかった。それでも話は未だ続くから、自分のペースを乱してでもリリーに着いて行かねばならない。話す事でも体力を消耗していたので、メアリは少しだが息が切れてきた。

「戦車やヘリコプターまであんなに早く操縦出来るなんて、才能がある」
「ほ、本当ですか?」
「貴方なら1軍には…5年、いや、4年あれば入れるでしょうね」

それを聞かされて、随分と先は長い――とメアリは少しだけ顔を曇らせた。3軍から2軍にはこの1ヶ月と少しで入る事が出来たのに、その4年と云う年月は1軍が特別である事実を改めてメアリに突き付けた。とは云え殆どの軍人が1軍に入れず軍生活を終えてしまうのだから、入るだろう、とこうして認めて貰えている事だけでも、凄くありがたい事ではあるのだけど。
ところで、とリリーが小さな声で云う。メアリが不思議がってリリーの顔へと視線を向けたと同時、――リリーが赤色の鞭でメアリの軍服を思い切り打った!

「な、ッ…?!」

驚愕したメアリがその場に止まって自分の軍服を見ると、彼女の蛇のような鞭の所為で軍服の金色の前釦が1つ取れてしまっていた。リリーはメアリの軍服を白手套を嵌めた手で指差すと、声高に堂々と、

「3軍所属メアリ・アン。軍服の前釦が取れている」
「えっ…?! こ、これは今リリーさんが…」
「罰として今から屋外での寒中水泳を命じる。10周始め」
「そんな、」
「良いから行きなさい」

リリーは有無を云わさずに、高くて細いピンヒールでグラウンドの土を蹴る。メアリはそれに気圧されて、多大なる理不尽さを感じながらも大人しくプールへと向かおうとコーナーを抜けて走り出す。道を歩いていたら雷に打たれたと云ったような突然の理不尽さなど、軍では当たり前の話でもあった。
走っている最中リリーから声をかけられて、厭になりながらも後ろを振り向く。次の言葉からこの悪辣な行動は彼女の加虐的な性癖を充溢させる為のものだったと解り、メアリは疲労から火照っていた自分の身体が冷め行くのを感じた。

「ごめんなさいね。貴方って兎と似ているからつい苛めたくなるのよ。兎からは見られない苦痛に歪む顔が、見ていて凄く気持ち良い」

なんて元恋人だ、とメアリは思った。





「…散々だ…」

何とか屋外での寒中水泳を終えて、メアリは濡れたままの髪から水を床へと落としながら、1人蹣跚とした足取りで基地の中を歩いている。
彼がこんなに濡れたままなのはリリーがメアリの分のタオルを取って行ってしまったからで(最早只の苛めに近しいが――)、プールから出たメアリは自分のタオルがなかった事に酷く落胆した。インナーをタオル代わりにして身体を拭く事で何とか最大の難を免れはしたが、ずぶ濡れになってしまったインナーでは髪を満足に乾かす事は出来なかった。絞って雑巾みたいになってしまったインナーを左手に、下に何も着ていないからか自棄に風通しの良い軍服を着たメアリは、冷えた溜め息を1つ吐く。好奇心で自分を見てくる周りの視線が非道く痛く感じた。
ともあれ、早く自室に入ってシャワーを浴びないと風邪を引いてしまうだろう。全く災難だと思いながら階段を上りかけた時、後ろから突然頭を叩かれた。誰かと思って水滴を垂らしながら後ろを振り向くと、そこには煙草を口に銜えた、

「ビ、ルさん…」
「うわ、すげーびっしょ。よしメアリ、風邪を引くのも大変だし一緒にシャワータワーにでも行くか」
「は? 何でそんな片言…、と云うか厭ですよ、自分は部屋に…っわ!」
「善は急げだな。よし行くぞそれ行くぞ」
「ちょ、ちょっと!」

ビルはメアリが断ったのも聞かず、メアリの首根っこを掴むとシャワータワーの方へと向かって歩き出す。…大日本帝国から帰ってきて凡そ一週間が経過していたが、メアリはあの時曲がりなりにも上官であり、加えて自分の為に会議に参加出来なかった彼に思わぬ暴言を吐いてしまった事を悔いたし申し訳なくも思った。素直に謝れば良かったろうが、それでもメアリからしたら彼の軽はずみな言動は矢張り許せるものでもなく――並々ならぬ葛藤の結果、ビルを避ける事でその問題の解決を先延ばしにしていたのだ。
然しビルも自分が避けられているのを気付かぬ程愚鈍ではないのだろう、彼も少し悩んだが結果として――メアリをこうして再び構う事にした。が、引き摺られるメアリは大人しく身を委ねる人間でもない。メアリは必死に抵抗を始め、

「ッ何でシャワーをビルさんと!」
「あ? そりゃ…あれだ、シャワーを浴びながらこう、良い感じに男同士で親睦を深めるんだよ」
「そんな親睦の深め方は厭だ…! 誰か、犯られる!」
「はああ?! おいテメッ、誤解を招くような事っ…お前等も変な目で俺を見るな!」

周りに居た軍人がビルを軽蔑の眼差しで見てきたのが余程応えたのか、ビルはメアリの首から一先ず手を離すと銜えていた煙草を口から離す。そうして警戒心丸出しの、まるで雨に打たれた時の小さな獣のような目をしたメアリを見下ろすと、

「…2人だと厭ってか」
「貞操の危機を感じるので…」
「お前みてーな生意気なガキは顔が良くてもヤらねーよ! …じゃあ、パットも連れて行く。それで良いな」
「パットさん?」
「ま、アイツは決まってシャワータワーを厭がるから来るかは不明だがな」

聞けば多くのシャワーが連なるシャワータワーで、壁越しに話すのは軍人達の1つの交流方法であるらしい(メアリはそのような親睦の深め方は要らないと思ったが)。ビルはそれで多くの者と交流してきたようなのだが、パットは一度もシャワータワーに来た事がないと云う。
それは彼も貞操の危機を感じるからではとメアリはそれとなく失礼な事を思ったが、どうやらそうではないそうだ。彼は肌を見られるのを極端に嫌うのだ、とビルは云う。故にパットはプールで泳いだ事もないし、人前でタンクトップ姿になる事もなければ、夏でも長袖で過ごし首すらも詰襟の服を着て隠すのだと云う。メアリは水の重みで垂れてきた前髪を鬱陶しげに掻き上げてオールバックにすると、

「焼けたくないとかでは? 肌が極端に弱い体質だとか」
「んー…。でも顔は隠してないしな…、…お前ってチビだからかオールバックにしても色気ねーよな」
「……」
「隊長は掻き上げると目茶苦茶色っぽいぞ。今度見せて貰え」
「…身長なんてその内伸びます…」
「無理無理。お、着いたぞ」

ビルが右手の人差し指で指した部屋の扉は、パットが住む部屋だった。メアリは早くシャワーを浴びたいと思いながら、恐らく紫色になっているだろう唇に手を当てる。悪寒で肩が震えてきたし、歯も奥歯が鳴ってしまっている程だ。風邪を引いたら大変だと云っているくせに、やっている事はその真反対だ。どうしてこんな事にとメアリは思ったが、鳴らしたベルから出てくるパットを仕方なく待つ事にする。
…然しパットが出てくる気配は一向になく、メアリだけでなくビルも首を傾げた。「談話室では」とメアリが云ったけど、それはないとビルが首を横に振る。先程までビルは談話室に居たそうだ。

「じゃあフードコートとか」
「かもな…、…お。開いてる」
「え? 待った、入ったら流石にマズい…」
「大丈夫だって」

ビルは鍵の掛かっていなかった扉を開くと、そのまま部屋の中へと入ってしまう。メアリはそれを止めたけど、ビルは聞く耳を持たなかった。なんて人だと心の底から呆れ果てたけど、彼の性格とは他者の作る壁を無遠慮に壊し、他者の心の中に入ってしまうものだった。
それを厭う者も居れば、嬉しく思う者も居る。メアリはどちらかと云えば後者ではあったが、パットは前者のような気がした。ビルを止めようとメアリも部屋の中へと入ったが、ビルは既にリビングに来て辺りを見渡していた。ビルは顎に手を乗せながら、さながら探偵のように、

「テーブルの上にあるのは珈琲だけ。…しかも冷めてる」
「ビルさん、勝手に入るのは…」
「…シッ。メアリ、」

突然ビルが立てた人差し指を口元に当ててメアリの言葉を制したものなので、メアリは思わず押し黙る。ビルはどうやら耳を澄ましているようだったが、静かになった空間に居るメアリにもその音は聴こえてきた。シャワーの音である。
成る程彼は今シャワーを浴びているのかとメアリが納得すると同時、ビルはシャワールームへと向かう。あまりにも信じ難いその行動にメアリの頭は着いて行けず暫く固まっていたが、その後覚醒して急いでビルの後を追う。脱衣室でシャワールームの扉を開けようとしていたビルの左腕を慌てて掴み、

「ビルさん待った、貴方変態ですか…!」
「んだよ、野郎同士で何を遠慮する事が…」
「親しき仲にも礼儀ありでしょう?! ビルさんのその性格は、」

「誰か居るのか?」
「!」

シャワールームからパットの声がして、メアリは云うのを止めて身体を強張らす。姿の見えないパットの声は何時もより警戒心の強いものがあり、刺すような声色でもあった。故にメアリは怯んだが、ビルはその声色に怯むところはなかったのか、何時も通りの声のトーンで扉に手を掛けて、

「パット、俺だ。シャワー浴びてるところ悪ぃんだが、」
「…?! パット? 君が何故此処に…」
「もう一度タワーで浴びる気は…、」
「待てっ、開けるな…ッ」

開きそうになった扉に驚いてパットは向こう側から扉を押さえようとしたが、ビルが開ける方が早かった。扉が失くなると彼等は至近距離で顔を合わせたが、――ビルは視界に飛び込んできたパットの剥き出しの身体に目を見開いた。ビルの後ろに居たメアリもその身体に絶句して、一切の動きを止める。メアリの髪から透明の水滴が一粒落ちた。
…パットの白い身体には、痛ましい量の『手術跡』がある。首から手首、そして爪先にかけて無数に存在するそれは普通の量をあまりにも超えていたし、腹部にある手術跡は絶句する程大きなものだった。パットの身体に纏わり付いた幾多もの水はタオルの上へと落ち、湯気は脱衣場の方へ移動して鏡を曇らせる。パットは反応が遅れたようにほんの数秒止まっていたが、唇を噛むと突然扉を掴み、そうして一瞬だけ炯眼を遣ると思い切り扉を閉める。その大きな音に肩を震わせた2人に対し、パットは震えたようにも聞こえる声をシャワールームの向こうから出した。

「…すまないが、出て行ってくれ…」
「あ、ああ。…悪かっ…」
「…謝る必要はない。君は知らなかった。…昔の事故の手術跡なんだ、」
「そ、うか」

今までパットが服で覆って隠してきた下のものがこんなものだとは、ビルも予想しなかったのだろう。彼にしては珍しく素直に引き下がり、何も云わず脱衣場を出ると扉の方へと向かう。メアリもそれに続いて部屋から出た。
部屋の扉を閉めると、扉の前でビルは決まりが悪そうに頭を掻いた。彼のこの行動が困り果てた時に使われる癖だと云う事は、メアリはもう気が付いていた。この場で何かを云うのは難しく感じたが、それでも自分が何かを云わなければこの空気を打破出来ないように感じたメアリは、ビルの軍服の裾を左手で控え目に引くと、

「…シャワータワーに行きましょう」
「…2人で良いのか」
「良いですよ。…貴方が可哀想な人だと解りましたし」
「はあっ?! 何だその言い草…」
「風邪を引く寸前です。行きますよ」

さきまでとは逆に、メアリがビルの腕を強く引いてシャワータワーへと向かって歩き出す。後ろから何かと抗議するビルの声を無視しながらも、メアリは別の事で頭を一杯に満たす。それは先程見たパットの身体の事だった。
――どんなに凄惨な事故に遭ったとしても、ほぼ全身に渡るような手術等は果たして有り得るのか、そしてその事故とは一体――?
爆発か何かなら有り得るだろうかとメアリは考えを巡らすが、直ぐに失礼な事だと思って急いで考えを止める。今まで見られる事を拒んできたのだ、他人からその背景を勝手に推測されるのは気分の良いものではないだろう。
メアリはそうして考えを頭から排斥した。





「…交渉決裂、か」

コーカス軍参謀総長室。深緑色の大きな椅子に腰掛けながら、オーク材の机に肘をついたドードーは溜め息を吐く。来客用の長椅子に足を組んで腰掛けたラビはカップのゼリーを食べながら、ドードーの次の言葉を待った。
深く皺の刻まれた額に置く手は自然に顔の上を滑り、次いで口元の白い髭を1回撫でる。彼の顔には疲れが出ていたが、それには彼がもう若くない事や交渉決裂での落胆が起因した。

「『人間兵器』の事も危惧せねばならぬし…、…頭が痛むな」
「…ドードー。以前「人間兵器は頻繁なメンテナンスを要する」と云っていたが」
「? …ああ、云ったな」
「根拠を聞いていなかった」

鋭さを携えたルビーのようなラビの目が向けられると、ドードーは組んだ手の上に顎を置いて「それは」と云う。紺色のスーツに包まれた彼の体躯は立派なもので、彼が以前軍人として最前線で活躍していた事を示唆した。

「情報がないから憶測でしかないが…、今の技術では恐らく『ドーピング』したままの人間の状態を維持する事は困難だ」
「……」
「定期的に検査や薬を投入しないとやっていけないだろうと云う事だ」

ドードーが語るのは某国が開発しているとされる『人間を殺戮する為の人間で出来た兵器』の事だったが、ドードーもラビもその存在だけでその形や今の開発段階、それを作るまでの工程作業も何も知りはしない。恐らく某国ですら、形や段階は兎も角として工程作業は知ってはいないだろう。それを知るのは直接開発に関わっている、ほんの一握りの研究者達だけだと忖度出来る。
ラビが銀色のスプーンでゼリーを掬う。本当は甘いプディングの方が良かったが、何時も糖分を多く摂取しているラビを思ってドードーから出されたのはメロン味のゼリーだった。ラビはそれに不満を1つも漏らさなかったけど、食べる速度は何時もより少し遅かった。

「それともう1つ」
「?」
「これも憶測だが、薬だけでなくオペを用いるとしたらだ。人間の身体をそのまま使うでも、何かを使用するでも、形は歪になるだろう」
「…形?」
「前者は痕が、後者は何か産まれた時にはなかった何かが身体に付属して――」

ドードーが全てを云い切る前に、参謀総長室の扉を叩く音がする。ドードーが入室を許可すると真っ赤なリボンを編み上げた随分と派手な純白のロングブーツを履いたリリーが姿を見せて、そうしてゼリーを食べるラビの存在をさも当然のように一瞥だけすると、

「ドードー。貴方のところでメアリの書類が止まってはいないかしら」
「書類?」
「2軍への入隊許可証よ」
「…ああ、これか。すまん、忘れていた」
「印判を押すだけなのだから、もう少し早くして頂戴」

臆面もなく参謀総長に対してそう云い放つと、今度はリリーはラビの方に身体を向ける。そうしてレースのガーターベルトが嵌められた長い下肢を交差させ、

「兎も何時まで油を売る積もり?」
「甘いものがなくなるまで」
「飴と鞭と云う言葉を知っていて? 飴はもう充分、今度は鞭よ」
「…リリーが云うと笑えない」

仕方なくラビは長椅子から立ち上がり、ドードーに向かって「また来る」と云ってリリーと参謀総長室を後にした。ドードーは扉が閉まったのを確認するとメアリの入隊許可証を確認し、そうしてコーカス軍の軍章である鷲の印判を押した。文字だけが印刷された白色の簡素な紙に、王冠の被った鷲が堂々と羽を広げて居る姿が刻まれるのは、コーカス軍の威厳そのものが現れているようだった。
それにしてももう2軍か、とドードーはメアリの才能とそれ以上の努力に感服するのみである。最初ドロシアの息子が来ると聞いた時は肝も冷えるようだったが、素行は父親に似たようだ。彼の軍での様子は非常に良く、模範生とも云える。
このまま努力して順調に1軍に進んでくれれば、と許可証を他の書類の束の上に置く。『順調に行ったなら』、ラビの後釜として1軍で名を残す事も出来るかも知れない。
ドードーは印判をデスクの中へと再び仕舞い、小さな溜め息を吐く。そうして窓の外から聞こえる軍人達の敬礼の声に満足気な顔をして、背凭れに全身を預けると目を瞑った。



NEXT『懇望』


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -