幼少期




大日本帝国とは、在りし日の日本を復元させた国である。軍を再び持ち世界的な戦争へ参戦の意を示した大日本帝国の地域は限られて、日本と云う国は東と西で国内分離した。大日本帝国は、西の地域である。東の地域は依然として軍を持たず、戦争表明はしなかった。結果として東の日本は文明はそのままの状態を維持したが、西の日本は大打撃を負う事となる。そんな世の中であるものなので、国家主義と軍国主義の風潮が伺えるのは、云わずと知れた事である。
復元された大日本帝国は、最早古くから禁じられたものが存在した。遊郭なんかは正にその代表的な例であろう。その遊郭に焦点を当てる事にする。

鬼梗(おにやま)家は、先祖代々からの大きくて華やかな遊女屋を持つ家系であった。そして鬼梗は、奇異なしきたりを持ち合わせた。
それは先祖から続くものであり、絶対的で不変とされ、昔からの古臭い決まりを廃止する柔軟さは彼等は持ってはいなかった。それは自分達の婀娜な娘を太夫とし、女衒から買った子供を二番三番とする事で己達の店を繁盛させると云うものである。何故自分達の娘を太夫としたのかは分からぬが、恐らく一番始めに遊女屋を開いた男が自分の娘をそうする事で、繁栄させた事に由来するのだろう。今後も繁栄しますようにとの願掛けとも云える。

鬼梗が最初に産んだのは、男の子だった。これは実に良かった。何故なら、遊女屋を引き継ぐ楼主が必要であるからだ。長男である彼は幼いながらも大変器量が良く、彼が楼主となる事は決定事項であった。彼は親族一同から持て囃されたし、そして非常に美麗な顔立ちをした。正に才色兼備だと親族から云われた鬼梗は得意になり、次の子供は男をたぶらかせられる女を期待した。

しかし、女を産みたいと思ってそうそう産まれるものかと云えば、その肯定は難儀である。そして鬼梗からしたら不都合な事に、次に産まれたのは又もや男の子であった。恐らくこれは、鬼梗の家ではよく起こる事態だろう。彼等はしかし狡猾で、昔から不都合な性別が産まれると流産したのだと話し、その場で子供を殺した。楼主をする長男と太夫をする長女、彼等が必要材料としたのはそれだけだった。

不運にも男の子として産まれたその次男は、本来ならば殺される筈だった。しかし産屋で担当をした医師は優しい性格の持ち主で、前以て鬼梗のそのしきたりのようなものを知っていた。
産まれた子が男であると分かると、今此処で殺されないよう彼は嘘を吐いた。可愛らしい女の子だ、と。母である鬼梗はそれを聞き非常に満足したが、しかし只の道具である子供へは何の情も湧かなかったのか、子供を抱き抱えさせて欲しいとは云わなかった。慈善で吐き出された、医師の嘘は上手くいった。
産まれた子は名前を付けられた。当然、女の子として命を授かったのだから、名もまた女の子のものだった。アリス、と名付けられた。



その日からアリスは母と会う事はなく、母の代わり、女衒へ売られたが使い物にならなかった女中から世話された。彼女も優しい性格の持ち主で、アリスが男であるとの事情を医師から聞かされると、その事実を隠して大切に世話をした。白の百合が堂々と描かれた朱色の着物を着せ、髪は鈴の付いた青の簪で結った。未だ年端も行かなくて、男の容姿をしない子供であったから出来た所業だった。アリスは父からも怪しまれず、女として育った。派手な化粧と先入観があれば、どうとでもなったのだ。

無論、成長すればいつかは分かる事だった。だから女中は、この子を発覚前にどうにか逃がすかしなければと思った。しかしアリスは未だ幼くて、一人で逃がすには頼りない。行き倒れるか、拐われでもしたら危険だし、道具として愛する愛娘のアリスが失踪したとなったなら、鬼梗達にどう彼女が云われるか分かったものですらない。彼女は自分もアリスも無事に生きる解決策を見出だしたかったが、彼女は生憎学校も行ってなく、賢い策を考えつく事も出来なければ相談相手も居なかった。ずるずると引きずって日々を重ねてしまったが、しかしアリスが己に笑いかける毎にどうにかしないとと頭を悩ませた。


アリスと女中は屋敷から離れたはなれの方で生活をしていたが、ある日から、アリスの兄がアリスの元に遊びに来るようになった。女中は予期せぬ訪問者に最初は驚いたものの、歳が幾つか離れた兄は睫毛が長く猫っ毛で、まるで女のようだった。その姿を見た女中は、ならばアリスも未だ数年は大丈夫だと安堵した。
兄は鬼梗と暮らしており、意地悪などとの可愛い単語で片付けられないような彼等と暮らすのだから彼もまた性格がひねてるのではと女中はしばし不安だった。アリスは心優しき女中が手塩にかけて育てたので、大変良い人格者であった。そのアリスに乱暴でもしたら、と女中は警戒をした。

しかし兄は朗らかで、気さくな少年だった。突然兄と云われて困惑するアリスに優しく接し、屋敷から折り紙や花札を持ってきては遊んだ。あや取りもよくした。アリスも段々打ち解けて、二人は声を出して笑い合うようになった。女中はそれを見る内に警戒心をなくし、微笑ましく見守るようになった。矢張り主従関係で異性である自分より、同性で兄である彼と仲良くした方が楽しいだろうと思った。


アリスの兄が遊びに来るようになって、大分の日数が経過したある日の事だった。幾つか後ろで結った肩までの髪を揺らしながら、アリスの兄が女中とアリスに云ったのだ。

「流行り病があるから、アリスの健康状態を見る為に医者が来るって」

女中は酷く狼狽した。分かり切ってた事ではあったけれども、まさか今日突然、発覚の危機に晒されようとは思ってもなかった。或はその有り得る現実から目を逸らしてて、逃げていた。聞けば出産に立ち会った医師でもなさそうで、女中は絶体絶命を悟った。幾ら顔は女らしくあろうとも、身体まではごまかせようもなかったからである。
そこで女中はしかし救世主を見付けた。自分よりも聡くて、頼る事も出来そうな人物が居るではないかと。それはアリスの兄であり、彼はその齢にしては確かに彼女よりも聡くて頭の回転も効くだろう。また、信頼に足る人物ですらあった。女中は意を決し、篤実な兄にアリスの性別を打ち明けた。アリスの齢は十程で、兄は十五程だった。

「ちょいと、ようござんすか。アリス様の事で、お聞きなんし」



アリスは男であると打ち明けられた側の兄は、目を数回瞬かせ、状況が理解出来ぬのか口を開かせて惚けた。そうしてアリスへ視線を遣ると、顔色を変えず女中へ尋ねた。

「アリスは女じゃなくて、男なの? 本当に?」
「ほんざんすよ。誰にも云いなんすな」

兄は考え込むように、視線を下に遣る。女中は次に、相談をしようとした。アリスをどう逃がすべきか、それかせめてどうこの診断を切り抜けるべきか。周囲から持て囃され認められる頭脳の彼であるのなら、得策を考える事などは容易である筈だった。彼女は期待し、逸る気持ちを抑えて彼の言葉を待った。早く行動に出なければ、アリスがどうにかされてしまう。その前に手を打たなければと、彼女は沈吟したような彼を見つめた。
しかし顔を上げた兄は彼女の望む答えを発さなかったばかりか、夢にも思わなかった言葉を堂々紡いだ。

「何それ、気持ち悪っ」

アリスと女中の表情が固まった。見れば、兄は今の今までの温厚そうな顔とは真反対の、非常に胴欲な顔をしていた。女中は全身が冷え行くのを感じたが、しかし未だ聞き間違えかもしれないとの淡い期待を抱き、何も云えぬまま兄を見たままだった。兄は顔を意地悪に歪め、途端蔑むような顔でアリスを見下ろした。

「はあ、何なの、男のくせに女の恰好して、ええ? そんな趣味」
「そ、そんな事がござんすものか! アリス様を生かす為、医師とわっちは――」
「ああ、あの変なしきたりな。で、生きる為こんな無様な事してんの。うわ、そこまでして生きたい訳? みっともないね、お前」

女中は唇を震わせて、恐ろしいものを見る目で兄を見た。人とは、こうも突然手の平をひっくり返す事も出来るなら、人格をも変わるのだと初めて認知した。否、人格は変わったのではなかった。これがアリスの兄の本当の性格であり、アリスを蔑視して嘲笑する彼に、彼女は目を大きく見開いたまま何も云えはしなかった。
矢張り彼は、悪魔だった。


「お前も何とか云ったら?」
「……え、」
「お前、自分が普通じゃ考えられないような事してるって分かってる? 本気で有り得ないよ。俺、吐き気込み上げて来たんだけど」

女中は怒りが沸々と沸き上がるのを感じた。アリスは生まれた時から彼女から女物の着物を着せられて、その理由を述べればアリスは駄々をこねもせず、素直に云う事を聞いてくれた。よく出来た子であるのだし、第一何を云えと云うのだ。あんなにも懐きを見せた兄の態度がこうも突然豹変したのなら、驚きに口が利けなくとも何ら可笑しくはないだろう。
女中が勢いに任せ反論をしかける前、訳も分からず困惑したアリスに兄は口角を上げて。

「あの両親に云ったらどうなるだろうな。なあ、実に愉快だとは思わないか?」

そう云うなり、女中が悲鳴にも似た声で制するのも聞かず、兄は笑って両親が居る屋敷の元へ駆け出した。消え行く彼の背中に愕然とし肩を恐怖に震わせながらも、女中は青ざめた顔でアリスの肩を掴んだ。アリスは不安げに女中を見上げ、ようやっとの事で口を利いた。それは声変わりもしておらず、女と云えば通用してしまう、高めで綺麗な声だった。

「ノ、ノエル、どうしよう」
「此処はわっちがどうにかしんす。誰か匿ってくれる者もありんしょう、アリス様はどうか逃げておくんなまし」
「ノエルも一緒に」
「そのような事云いなんすな。早く」

女中はアリスの右手を掴み、急いで裏口へ連れて行く。あの両親が来る前にアリスを逃がさねばと女中は強く思ったし、その後の事を考えられる余裕は今やなかった。彼女は余程母親のようになってたし、責務すら感じた。あの非道な両親がアリスが男であったと知ったなら、とんでもない事をする事だけは確かだった。
草の生えたそこにある裏口へ来た時、アリスは女中のノエルに再び一緒に逃げるよう云った。しかし女中はアリスと一緒に逃げ切られる自信はなかった。自分が犠牲になって時間を稼ぐ方が良く思われたし、子供一人の方が何かと小回りもきくだろう。初めて我が儘を見せたアリスの手を払い、裏口から出そうとしたその時である。

「ノエル、貴様何をしてるっ」

女中が息を呑み後ろを振り向いたと同時、女中は右の頬を思い切り叩かれた。痛々しい乾いた音の後、彼女の身体が叢の上に転がる。乱暴された女中を見てアリスは声をあげたが、アリスの細腕は着物を着た男によって引っ張られた。男はアリスの父親であり、後ろには母親と兄が居た。
母親は横たわる女中を忌ま忌ましそうに見て、悪口を吐き出した。業腹であった。

アリスの腕がそのまま引っ張られ、思いやる事もされず乱暴に父親に連れて行かれる。何処へ行かされるのかアリスは分からず、只怖くて足が縺れ、よろけた。右の下駄が脱げ、足袋だけになる。それに気付かず歩かされるものだから、石が刺さって、痛みを感じた。
後ろを見ると、女中が未だ罵られていた。アリスは彼女の名前を呼んだが、すると父親から黙るよう叩かれた。アリスは叩かれるのは初めてで、痛む頬に顔を歪めた。あんなにも優しかった父親が、こうも態度を変えた。大好きだった兄も、ああして簡単に裏切った。毎日一緒に居て掛け替えのなかった女中が、ああして迫害されている。突然のあんまりな事態に、泣き出してしまいそうだった。後ろから、会話が聞こえた。

「母さん、この女中はどうするの」
「此処に置いてなんかおけるものか。この間来た客が、丁度人を欲しがってた。売ってお払い箱にするさね」
「奴隷として売られるの?」
「さあ、異国の方で欲しがってるそうだから密輸としか知らないよ。何でも子供の世話をする役が欲しいそうだから、この馬鹿でも出来るだろうさ」





アリスが連れて来られたのは、地下の牢屋であった。父親は何も云わず、相変わらず業腹のままでアリスをそこに閉じ込めた。鍵を掛けられて、父親は石の階段を上って地上に出ると、それきり居なくなってしまう。アリスは自分が今後どうされるのか分からずに、只恐怖を感じた。自分も売られてしまうかもしれなかったし、殺される可能性もなくはない。地下は何もなく、父親が出入りした場所しか出口もない。完全に外界から遮断され、アリスはその地下の寒さと不安に抵抗をしなければと漸く至り、格子を掴んで引っ張った。当然それは意味をなさなかった。

「父さん、此処から出して、父さんっ」

アリスは声を張り上げ懇願を始めたが、その声は周囲の岩の壁に反響するだけであり、無意味なものでしかなかった。それを続けても次第に喉が痛くなるだけであり、愚行だと悟るとアリスは声を出さなくなった。
膝を抱え、女中の事を考える。彼女は売られるのだと母親と兄のやり取りで分かり、申し訳なさと自分への嫌悪感に唇を噛んだ。今までは悠々と暮らして来たのだし、望まれぬ性別で生まれた事もまるで他人事のようだった。自分は男でしかなかったし、女でなければ駄目な意味も見出だせはしなかった。只、彼女が装うよう頼むので、困らせたくなくてそれを装った。それは自分の為でなく、彼女の為と思っていた辺りから、甚だしい間違いだったのだ。
初めて自分が生まれてくるべきではなかった事実を叩き付けられたようであり、両親の勝手さに愕然としながらも、自分を呪った。望まれない性別に生まれた事もだが、生まれて来た事すら否定され得るものに感じてきた。頭が着いて行けず、アリスはとうとう嗚咽を漏らした。女中を想い、自責を始めた。自分の愚かさへの憎しみと、身勝手で傲慢な両親への憎しみが混ざり合い。複雑過ぎる感情にどうにかなってしまえると思えた。





その夜の事だった。地下に兄が現れると、アリスはただただ衝撃に近しい驚愕を覚えた。慕った兄ではあるものの、ああして己を侮蔑した兄である。アリスの頭では未だ上手く処理出来る事もなく、しかしアリスを見て笑む兄の姿は怖く思われて、顔を歪めて座ったまま後ずさった。アリスの中では、彼は既に恐怖の存在と化していた。
兄はその態度が気に喰わなかったのか、はたまた最初からその気で来たのかは推断出来るところでもなかったが、兄は不機嫌さを全面にだすとそこらの石を拾い上げた。指の第一関節程の直径の石達である。
そしてそれを、アリスに投げた。膝に当たって、痛みにアリスは驚き兄を見上げる。兄の左手には未だ数個の石があり、兄はそれを右手で掴むとまた投げた。

「痛、兄さ、やめっ」
「兄と呼ぶなよ、お前から呼ばれると反吐が出そうだ」
「痛い、痛っ!」

アリスの頭や右手に石は辺り、それが小さな怪我を作る。切れて血が出た右手を見て、兄はああ、と気付いたよう声を出し、動きを止めた。アリスは脅えて顔を上げも出来ず震えたが、兄が近付いて来たのは足音と気配で直ぐ察せた。アリスの歯が鳴り、出来る限り兄から離れようと更に後ずさると、背中が壁にぶつかった。兄は面白くなさ気に溜め息を吐き、格子の近くまで寄って屈む。

「お前に傷付けちゃならないんだった」
「………?」
「あの屑な両親が相談して決まったよ。お前はさ、売られるんだって。こんなに大きくなられちゃ殺したら流石にまずいだろ。だからお前は娼婦のよう、男娼として茶屋へ連れてかれるのだと」

アリスの思考が停止して、何を返せも出来ない。兄は舌打ちし、アリスに寄るよう要求した。無論恐ろしくて到底寄りたくなどなかったが、云う事を聞かねば何をされるか分かったものでもなかった。アリスは兄の顔色を窺って、身体を縮こませながらゆっくりと格子へ寄る。
兄は小馬鹿にしたような笑顔を作り、格子の隙間から手を入れるとアリスの髪を思い切り引っ張った。全てを抜くかのような容赦のないそれに、アリスは呻き痛みを訴える。しかし手は緩むばかりか、益々強まるばかりである。嫌な音がして、髪の毛が何本か抜けた。

「もっとちゃんと反応しろよ、女として育てられたからか何なのかお前、言語能力発達してない訳?」
「痛っ、痛…あ!」
「ぎゃんぎゃん煩いよ。白痴だな、お前。こんなん肉奴隷としても使えないんじゃないの」

懇願するアリスを見て、兄は呆れたよう目を細め、髪から手を離した。抜けた髪の毛が数本落ち、アリスの双眸からは薄く涙が浮かぶ。憎悪と云うよりは恐怖を覚えるアリスに苛立ちが更に募ったのであろう、兄はまた雑言を口にした。鼠が鳴き、床を走る音がする。静寂した空気の地下に、それはよく響いた。
兄は腰を上げると格子から離れる。もう終わったのだと、助かったのだとアリスは隠れて安堵した。しかし兄は階段へ向かう事はなく、壁の隅で何かを貪る鼠へ近付きそれを巧みに鷲掴む。兄の右手に捕獲されたその色は薄汚く、形は歪に肥えている。アリスが何か分からずじっと見上げると、兄が再びアリスの方へ戻る。鼠が逃げようと声を出してもがき、尻尾は上下に揺れる。
兄は婀娜な笑みを浮かべ、格子の近くに座るアリスの頬に左手で触れる。アリスの瞳が不安げに兄を捉えた刹那、

「――ひっ!」

兄はアリスの左の頬に鼠をくっつけた。鼠が抵抗し、爪のある両手を乱暴に動かす。アリスは反射に等しい動きで逃げようと無我夢中で目を瞑り顔を動かすが、兄は離さない。鼠の声は騒音と化し、耳を攻撃する。兄は愉快げにそれを眺めると、益々強く鼠を押し当てた。

「嫌だ、兄、兄さん、――!」
「嫌がるなよ、同じ仲間だろうが。お前が鼠を嫌がるなんておこがましい」
「や、痛、…っ!」

鼠の爪が頬に当たり、それを見た兄は舌打ちをして顔から離す。すると今まで背中から掴んでたそれの尻尾の根元を今度は掴み、逆さ吊りにしてみせた。鼠は必死に小さな体躯を動かし悲鳴に近しい金切り声を発したが、兄は無視してアリスに視線を遣る。最早期待は出来ない。アリスの顔が強張り、抵抗にもならぬ嫌だとの脆弱な声だけが漏れる。兄は変わらず妖艶な表情で、それをアリスの口元に持って行くと。揺れるその尻尾を無理矢理口内へ押し込めた。


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