思い出は色褪せぬまま
1話
2008.07.15start
☆まえがき★
原作ベース。
夏に、実際に見たヒマワリをイメージして書いた話。
ヒマワリと言うと明るいイメージですが、夕暮れに染まり静かに風に吹かれるヒマワリは何だか物悲しいなぁ…と感じて、そのイメージでお話書きました。
雨竜たん死にネタなので、そのつもりでお読み下さい。
夏が巡る度に、思い出す。
どこまでも続く向日葵畑と、微笑みながら交わした約束。
それは一護にとって何よりも大切で、それでいて痛みを伴う程に切ない思い出として、彼の胸の奥深くに刻み込まれている。
◇◇◇◇◇
「向日葵畑?」
「そう、ヒマワリ畑。ここから車で30分ぐらい行った所に、でっかいヒマワリ畑があるんだよ」
「……君は車の運転をするのかい?免許も持っていないのに?」
「するワケねぇだろ。俺じゃなくて、昔、お袋がさ………」
いつだったか、夕陽に染まった放課後の教室にめずらしく二人きりで、他愛ない会話からそんな話になった事があった。
尽きぬ戦いの火種。
尸魂界、虚圏、そして新たなる脅威へ、もう幾度目かも分からぬままに、繰り返される死闘に身を投じる。
そんな日々の中で訪れた、束の間の休息。
当たり前の高校生に戻った―――そんな一時だった。
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