あぁ、あの人が私の前から居なくなって
一体どれだけの時間が流れたのでしょう。
居なくなって一ヶ月ですか?
それとも一年になりますか?
もっと、もっと経ちましたか?
あの人は、私を好きだと言いました。
私もあの人を好きだと思いました。
そして、あの人は私を愛してると言いました。
私もあの人を愛してると思いました。
私からそう、口に出すことは
結局、一度もありませんでしたが
私は、あの人のことを心から愛していた様です。
あの人が、あの藍染惣右介隊長らとともに、
此処を去ってから、私の日常から色が消えました。
「ギン………あの言葉は……」
どんよりと空を覆う鉛色の雲はまるで、あの人が
居なくなってからの私の心を映しているかの様です。
あぁ、あの人が私の前から居なくなって
一体どれだけの時間が流れたのでしょう。
私の心は未だ分厚い雲が浮かんだまま晴れません。
それは今にも泣き出してしまいそうで…
あの人との思い出がある場所へ来ていた私のもとに
あの人の副隊長であるイヅルさんが来ました。
「名前さん……
…また来てたんですね、
……隊長は、もう……ここには」
悲痛な気持ちがイヅルさんの声から伝わってくる。
そして、私の頬にも冷たい雫が伝わってきました。
堪え切れなかった涙の雫が、堰を切った様に
溢れ出して、どんどん頬を流れて落ちて行きます。
「私が此処で…
どんなにあの人を泣いて待っていようとも、
もう二度と……
此処へは帰っては来てくれないんですよね、」
「隊長は狡い人です」
「……イヅルさん…」
とうとう空も泣き出して、地を濡らします。
雨の音がこの残された二人の空間を支配して…
ぽっかりと空いてしまっている大きな穴。
それは、あの人に持っていかれた私の心。
あぁ、あの人が私の前から居なくなって
一体どれだけの時間が流れたのでしょう。
居なくなって一ヶ月ですか?
それとも一年になりますか?
もっと、もっと経ちましたか?
あの人は、私を好きだと言いました。
そして、あの人は私を愛してると言いました。
私からそう、口に出すことは
結局、一度もありませんでしたが
「…イヅルさん、」
「……何ですか、名前さん…」
「あの人の言葉は結局……
全部、嘘だったんですかね?
私を好きだと言ったのも、
私を愛してると言ったのも…
全ては全て
あの人の嘘、だったのでしょうか?」
私は、あの人のことを心から愛していた様です。
あの人の言葉、気持ちが全て嘘だったとしても私は
(今もあの人のことを)
(愛しています)
end
20101004
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ギンが出てこないっ\(^o^)/
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