短編ログ | ナノ
可愛いあの子にもう夢中

君はどんだけ私を惚れ込ませる気でいるのよ!
だって、だって……

可愛過ぎるじゃないの、こんなの。

ズルい、ずるいわ!
だって、私…君に夢中なの!!



「名前殿ーーー!!」


そう言って私を見つけると駆け寄ってくる可愛い子。
名前はバジル。


「どうしたの?バジル君」


私が一言、そう言うだけで…


「いえ…名前殿が見えたので……つい、」


照れくさそうに、頬をほんのりと赤に染めながら言うバジル。
あぁもう!なんでこんなにも可愛いんですか!?


「よしよし、バジル君はいい子だね。 それより…この頬の傷は?」

「あ…この傷は親方様との修業の途中で付けてしまったものでして…」


あの、くそ親方……私の可愛い可愛いバジルに傷を!!
今度あったら、覚悟しておけよ…。


「拙者はまだまだ、修業が足りません。
 …名前殿、今度拙者の修業を見てもらえませんか?」


もう!そんな可愛い顔でお願いされちゃ、断れないじゃない!
…次の任務は何としてでも開けとかなくちゃね!

ターメリック辺りにでも、代わってもらうかしらね…。


「もちろんいいわよ。頑張りましょうね、バジル君!」

「はい、ありがとうございます!!
 …嬉しいです、憧れの名前殿が修業を見てくれるなんて」


はえ?? 私がこの可愛い可愛いバジル君の憧れ…の人だったの?


「いつも親方様から聞いています。
 名前殿の頑張りがあってこその門外顧問だって…」

「そんなことないわ、親方様は大袈裟よ!
 みんなが…バジルが居てくれるから、私は頑張れるのよ?」

「名前殿…!!」


親方様…私、親方様のこと見直しました。
さっき、くそ親方とか言ってごめんなさい!


「じゃあ、明日から始めようか。時間はどうしようか?」

「せっ拙者は、何時からでも…」


お?なんだかバジル君の顔が目が…一割増きらきらしてる気が…?
あー…ダメ。我慢出来ない。


「っ! 名前殿っ!!?」

「なに?どうしたの、バジルくん」


どもってるバジル君もとても可愛い。
あー…このままお持ち帰りしちゃあ、ダメかしら。

犯罪、かしらね。


「あ、あああのっ、名前、殿!!? その、」

「?」


「なぜ、抱き着いてるんですかっ!?」


「何故って言われてもね…我慢出来なかったし。
 強いて言えば……バジル君が可愛かったから?えへへ」

「っ!!」


私の言動に驚いたのか、照れているのか。
バジル君は声にならない様な声を上げて、真っ赤になった。

真っ赤に染まったバジル君でさえ、食べてしまいたいくらいに可愛い。
あぁもう…これは、凶器だね。

私の心臓の方が保ちません。



「せ、拙者は……名前殿の方が、可愛いと思います!」

「…え?」



君はどんだけ私を惚れ込ませる気でいるのよ!
だって、可愛過ぎるじゃないの……こんなの。


「それでは!また明日!! 宜しくお願いします、名前殿っ!!」


「え、あっ、……はい」


ズルい、ずるいわ!
だって、私…君に夢中なの!!

君の全てに夢中なの!


end

20100830
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お初なバジルくん。

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