俺には可愛い可愛い彼女が居る。
そして、その可愛い可愛い彼女に、俺はいつもいつも、振り回されてる。
でも、振り回されてるって自覚してても この可愛い可愛い彼女のためとあらば
許してしまう、
俺は相当彼女に惚れてるらしい。
いつもいつも、無防備な君に。
「名前!」
談話室の扉を開けながら彼女の名を呼ぶ。
自分でも、声は大きい方だと自負しているのだが彼女からの返事は無い。
(まだ、任務から帰って来てないのかぁ?)
そんな、ことを考えてかなり悲しい気分になる。
それだけ、彼女に逢うことを楽しみに任務をちゃっちゃと終らせて来たんだ。
俺はもう、彼女無しではダメの様だ。
彼女に逢いたい。声が聞きたい。
もう付き合って三ヶ月になると思う。
彼女とは、今のところキス止まりの清い付き合いだ。
俺だって、一人前の男だし キスの先も…そう思うのは仕方のない事だと思う。
いつまでも入り口に突っ立っているのも変なので、談話室に入り扉を閉めた。
そして、ソファーに近づけば…
「名前…!!?」
無防備に寝顔を晒している彼女がソファーの上に。
クッションを抱き締めながら眠る彼女は やはり、可愛らしかった。
そっと、彼女の眠るソファーに腰掛ける。
起こしてしまわない様に、ゆっくりと、慎重に。
いつもの俺とは別人みたいだなぁって思う。
それは、彼女が大切にしたい存在だから…彼女と居る時はいつもそうだ。
(俺らしくねえなぁ…)
だけど、そんなことも彼女のためだと思うと俺はなんだか、嬉しくてたまらない。
勝手に顔がふにゃける。
こんなゆるゆるの顔をもし、ベル達にでも見られたら…絶対、からかわれる。
ボスさんだったら、グラスが飛んでくる。
「それにしても、こいつは…」
本当、俺の彼女は無防備過ぎて困る。
何が困るかと言うと、もう、あれもこれも全てだ。
俺の理性の限界ギリギリラインだ。
俺がこんなにも悩んでいるのに、彼女は未だすやすや夢の中。
一体どんな夢を見ているのか。
「名前……ただいまぁ」
俺がそう言ったら、俺の可愛い可愛い彼女が 寝ながらだけど、確かに笑った。
そんな気がした。
俺には可愛い可愛い彼女が居る。
そして、その可愛い可愛い彼女に、俺はいつもいつも、振り回されてる。
でも、振り回されてるって自覚してても この可愛い可愛い彼女のためとあらば
許してしまう、
俺は相当彼女に惚れてるらしい。
いつもいつも、無防備な君に。
end
20100828
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