何だろう…
折角うとうとしかけてたのに。
私の背中に何やらあたたかくて重たいもの。
うっすら目を開けてみると、右にオレンジ。
「…ラビ」
「…ん?」
「また あなたなの?」
私の安眠を妨害する非常識なやからは
何を隠そう、私の付き合っている彼氏。
ラビだった。
「…ねぇ」
「…なにさ?」
「何してるの?」
「名前を、ぎゅーってしてるさ」
「…それは分かってるわよ」
眉にしわが寄っているのが自分でも分かる。
そうでもしないとラビは、離してくれない。
「こうしてると、めっちゃ落ち着くんさ…」
「…へぇ…そうなの」
「名前…ソファーで寝ちゃだめって
何回言ったら分かるんさ?」
「仕方ないわ…こんなにも気持ちのよい
…眠りを誘う様なソファーが悪いのよ。
私一人の所為じゃないわ…」
現にラビだって、このふかふかなソファーに
背中をあずけて眠そうな目をしてるじゃない。
あ、彼のこのたれ目は元々だったかしら?
「あ…またたれ目だな、とか考えてるだろ?」
「…バレちゃった?」
「オレは名前の考えてることなら
どんなことでも百発百中分かるさ!」
「…はいはい、威張って言うことじゃないからね」
私は後ろから抱き着いてくるラビをたしなめる。
わさわさと右手でラビの髪の毛を撫でてみた。
ぎゅうってラビが私を抱き締める力を強くした。
ちょっと痛いくらいが、ちょうどいい。
なんて言ったら、彼はどんな顔をするかしら?
「…ねぇ」
「…なにさ?」
「ラビは私のこと好き?」
「当たり前さ…
オレは名前のことが大好きさ」
「ふふっ…
私もラビにこうしてもらうの大好きよ」
後ろからぎゅうってして
私の右肩にはあなたの頭。
ちょっと痛いあなたの腕の中
私はあなたの愛を感じてるの。
これがあなたの愛情表現。
end
20100805
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