こんばんはー、と可愛らしい声が聞こえて。
ばたばたと駆けて来る音が聞こえれば
つきり、と針が心に刺さるみたいに
胸が痛い。顔が熱い。心臓がうるさい。
「首無? どうかしたの?」
あなたは何も知らずに
ボクへとその澄んだガラス玉を向ける。
酷く冷たい色のその瞳にボクが映れば
さらに、心の針が動き出した。
「いえ…私は大丈夫です、どうぞご心配なさらず…」
無理は禁物だよ、と
あなたはボクに優しい言葉を掛ける。
それだけでボクはどんなに嬉しいのか。
心が舞い躍るかの様に、体が軽くなる。
「首無…アンタ…」
「毛倡妓姐さん…言わないで…」
(ボクはあなたに恋をした)
(私の気持ちをあなたは知らない)
end
20100803
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切ない片想い(∀`*)
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