最近、何だか名前ちゃんが夜のボクのことばかりを話題に持ち出してくる。…カナちゃんもそうだけど、よりによって名前ちゃんまで!!
夜のボクは一体何をどうしたっていうのさ!
「って言う訳だから、もし今晩、夜のボクが出てきてたらこれを渡して欲しいんだ、首無。」
「…え…私が渡すのですか?」
「頼める……よね?」
「…! はい、承知しました…」
何だか首無が怯えてるみたいだけど、気にしてられないよね。用件はまとめて手紙に書いておいたから、とりあえずは安心だ。
さてと…明日も学校あるし、ボクは寝ようかな。
▼▼▼
「…と言う訳でして…昼のリクオ様から、夜のリクオさまへの便りがあります。どうぞ」
『……アイツは他には何て言ってんだい?』
「…なんとも、その中身を読めば分かるとのこと…私はその便りを読んでませんので…」
『すまねぇな、首無…』
「いえ…それでは、私はこれで…」
そうオレに言って、首無は部屋から静かに出て行った。名前のことで、オレになんか用なのか――――?
『…ほぉ――――そう言うことかい。』
手紙にはオレが、名前に手を出していることを咎める様な内容だった。そして、名前には近寄らないでほしい、とそう書いてある。(昼のオレも馬鹿だよなぁ――――)
己の馬鹿さに、思わず溜息を付いた。人間の時も、今のオレの様に妖怪であるときも、心は一つと言うのに。
『それは、無理なお願いだなぁ…こりゃ…』
昼のオレ…お前も名前のこと―――諦められるのかい?
姿形、考え方が昼と夜で変わろうとも、心は深い深い奥んとこで繋がってる訳だ。昼のお前が好きな”人”は、夜のオレが好きなのはそう言うこと。
昼のお前だけが、おいしい思いをしてんのは、気にくわねぇから、オレはこの姿勢を貫き通すぜ…。
▼▼▼
「ん…」
『起きたのかい?』
「…! 君は…夜のボク!?」
『ああ、そうだ』
『…一つ、お前に言いたいことがある。』
「…なに?」
夜のオレか、昼のお前か…どっちがはやく名前を落とせるか勝負だ。
end
20100801
----------
夏休み企画8
澪浬様のリク
::60::
×|◎|×
ページ: