ある昼下がり、銀狐は大好きな彼女の後ろ姿を発見した。
「名前さん!」
「…また来たの? 市丸隊長…」
イヅル副隊長も困ってみえましたよ?と名前は苦笑い。でも、イズルが困っていようが怒っていようが、この銀狐…市丸ギンには関係ない。(あぁ…どうしよぉ……名前さんがボクをみて笑うたわぁ…)彼の頭の中には、仕事のことなんかより名前のことでいっぱいだった。
「市丸隊長がいないと、三番隊も大変なのでは?」
「なにって!?ボクが居なくて寂しかったやて!!?
寂しかったんやったら、いつでも言って下さいよぉ〜!
…ボクすぐかけつけるのに」
「ちょっと待って、市丸 お前…どう言う聞き間違いをしたら…!」
「もう恥ずかしがらんと言うて下さいよ名前さん」
市丸はそう言って名前に後ろから抱きついた。そして、名前は嫌がってじたばたともがく。
「は、離せ!市丸…隊長っ!!」
「せやから、ボクいつも言ってるじゃないですかぁ…
隊長もいらんから名前で呼んでって…」
「この状況でお前…それがよくいっ!ひゃっっ!!」
「ふぅ〜ん…名前さんは耳が弱いんやねぇ〜」
覚えとこ〜、と言って市丸は名前を離した。
「……市丸…」
「ん?何、名前さん?…どうせ呼ぶなら名前で呼んでほしかったわぁ」
名前は俯いて市丸を呼んだ。
「次やったら、お前を張っ倒す!!!」
(お〜ぉ、怖い怖い…名前さんの目がマジや……でも)
「そんなあっかい顔して睨んでもぜ〜んぜん怖ないでぇ…名前さん!」
市丸はまた、ひらりと名前の背後をとりきゅっと抱きつく。その後、市丸が名前に張り倒されたことは言うまでもなく…
end
20100724
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夏休み企画5
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