短編ログ | ナノ
名前で呼んでくれ!

教室に入ろうとしていたら、いきなり後ろから呼び止められた。
振り向くとそこには、最近イタリアから転校してきた男子生徒。
獄寺隼人くんが立っていた。


「よ…よお!」

「獄寺隼人くん…おはよう!」


まさか、クラスでも人気な獄寺隼人くん直々に挨拶をしてもらえるなんて…
私は少しだけおどろいたけれども、笑顔で返事を返した。
友だちがざわざわと私の方を見ていた。


「名前」

「んー…どうしたの?」

「…好きなんだ」


…え。何て言ったの?
私の聞き間違いかもしれないけど…獄寺隼人くん。
君は今、何て言ったの?


「え、何を?」

「… 好きなんだ!」


「え、誰を?」

「〜〜ッ…お前!」


獄寺隼人くんは顔を真っ赤に染めながら、私を指して言う。


「…わ、私!?」

「…おう」


な、ななな!
…どうやら、私の聞き間違いでは無いようだ。


「ご、ごごご獄寺隼人くん、君は正気ですか!」

「なっ!俺が告ったのに正気って!」


獄寺隼人は赤い顔のまま、肩を落とす。


「そ、その…私で良ければ…その…」

「…!」


なんだか私まで恥ずかしくなって、顔に熱が集中する。
私の恋は君の”よお”からはじまった。


「おい、名前!」

「何、獄寺隼人くん?」

「ふ フルネームは止めてくれねぇか?」

「え、あ…はい。じゃあ何て呼ぼう?」

「…たの…で」

「え?」


名前で呼んで下さい!


end

20100712
20171027変更
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獄寺くんのキャラが行方不明(´ゝ`)

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