今日は六月の九日。
意識したくなくても、妙に意識してしまう。
それは何故でしょう?
「おはよう……」
「おはようございます、名前」
今日は随分と早いんですねぇ、と笑うあなた。
だって、仕方ないじゃんか。
「何?私が早く起きるのはダメな訳?」
今日が待ち遠しくて眠れなかったのだから。
きっとあなた…骸以上に私は今日のこの日を待ち遠しく思っていたに違いない。
たかが、骸の誕生日じゃないか。
そう思ってしまえば、それで済む話だが
何と言っても、あの骸の誕生日だ。
「クフフ…誰もそんなことは言ってはいませんよ?」
きっと何かをねだられるに違いない。
ああ見えて…ってか、見た目のそのまんま。
彼は結構なお洒落さんだからプレゼントは洋服でいいよね?
「そう言えば、千種と犬は?」
ってことで、私の手にはプレゼントである洋服の入った袋が握られている。
「食料も底を付いてきたので、買い出しに行かせてますよ」
「…そ、そうだったんだ」
絶好のプレゼント渡しのチャンスが到来した。
なんだ、この都合の良い展開は!
「ところでその隠している紙袋は何なんですか、名前?」
「! あぁ…これは……」
骸は気付いていた。
うわぁ…何だか恥ずかしいなあ、オイ!
「骸!誕生日おめでとうっ!!」
私は叫びながら、骸へとプレゼントの入った紙袋を投げるようにして(ってかモロ投げて)渡した。
それを難なく骸は受け止めると少し目を見開いたが、中身を確認して笑った。
「これは嬉しいですねぇ…」
「はいはい、そうですか、そうですか…」
「ありがとうございます、名前」
「ど、どういたしまして…」
そう言って、微笑んだ骸の笑顔がとってもきれいだったので、妙に照れくさい。
「改めて御礼とか言われると照れちゃうから、」
「まさか、名前からプレゼントを…ね」
「私だってたまにはこう言うこともするのよ」
「クフ…投げて寄越すとこが名前らしいですね」
「し、仕方ないじゃない!(バレてるなんて知らなかったし)」
「まぁ、」
プレゼントがなければ無理にでも貰うつもりでしたがね?と不意に邪な笑みを零した骸に、平手打ちが飛ぶ。
「酷いじゃないですか、名前!今日の主役である僕を殴りましたねっ」
「あなたの顔が悪いのよ!」
「何を言っているんです、僕は美形の部類に入りますよ!性格だって僕はs「はいはい黙ろうかー」ヒドイです、名前」
ねぇ、骸。だいすき。
それとね、生まれてきてくれてありがとう。
「クフフ…名前、「骸様ぁ!ケーキ買って来たびょん!」……チッ」
「骸様、ただいま戻りました」
「お!ナイスだよ、犬(って言うか、今骸舌打ちしたよねっ!?)」
「ハア!?お前のためとかじゃねぇーびょん!俺は骸様に「…犬、うるさいよ」
「クフフフフフ…チョコレートケーキは僕のものですよ、ねぇ犬?」
「ビクッッ!!(骸様、何れか怒ってるびょんーーー!!)」
はぁ。今日も平和な黒曜であります。
今日は六月の九日。
意識したくなくても、妙に意識してしまう。
それは何故でしょう?
理由は簡単。
何たって、今日のこの日はあなたの誕生日!
end
20100609
20101114 修正
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骸さん、はぴば!
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