短編ログ | ナノ
それだけでいいよ

優しい嘘なら許されますか。
僕はそれが優しいものだとしても、嘘は嘘なので許されるものではないと思います。僕は嘘が嫌いです。その嘘で、相手が期待してしまったら、どうするんですか。真実を知った時、相手は裏切られたと思いますよ。
残念です。まるであなたはそのことを理解していない。
嘘をついて、その嘘がばれて、相手を落胆させるくらいなら、相手を傷つけてしまうことになっても、僕は最初から本当のことを言った方がいいと思います。だって、その方が、お互いに傷が浅いじゃないですか。最初から正直に言ってくれた方がいいです。その場しのぎの嘘を言って、変に期待させる方がおかしいですよ。
あなたは嘘をつかれたことがないんですね。
僕はこれまで、たくさんの嘘を聞かされました。その嘘で、僕はたくさん、そのいつかを期待して、ついに叶わなくなった時、絶望を味わいました。相手を傷つけたくないからと、優しい言葉で騙して、答えを先延ばしにしたって、結果は同じです。だったら、初めから嘘なんてつかなきゃいいんです。本当のことだけ言えばいいんです。
その嘘は僕のための嘘じゃない。あなたのための嘘だ。
僕は嘘吐きが嫌いです。優しい嘘も許しません。だって、嘘は嘘なんですから。僕は、嘘に期待した分、たくさん傷ついてきた人を知っています。だから、もう嫌なんです。優しい言葉に騙されて、嘘を信じて、心が死んでいくのは。
だからもう、本当のことだけ、言ってください。
あなたはとても優しい嘘吐きだ。だから、今からは本当のことだけを言ってください。僕に期待させないで、僕を傷つけてもいいから。
「ずっと一緒にいたかっただけなんだ。ごめん」
もう、それだけでいいよ。

20190822(700字)

:::「優しい嘘なら許されますか」で始まり、「それだけでいいよ」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば5ツイート(700字)以内でお願いします。

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