短編ログ | ナノ
たぶん最後の余白

君はいつも「うん、うん」と適度に相槌を打って僕の話を聞いてくれているけど、頭の中でも僕の話をちゃんと聞いてくれているかな。話している時、僕はたまに君がちゃんと聞いてくれているかどうかの確認をするために質問を投げかける。すると君はいつだって、僕の話をかいつまんで話して、逆に僕に聞き返す。
「つまりレグが言いたいのはそういうことでしょ?」
彼女が聞き返してくれる内容は、いつだって正しく僕の話を理解して、聞いてくれている証拠になる。それが嬉しくて、同時に悔しい。だって、それが証拠になるんだったら、僕はこんな風に不安になったりするはずがないもの。そうやって、一つずつ照らし合わせながら確認をしても、君が僕のつまらない話を聞いてくれているのかなって、やっぱり不安になるのだから。
「ねぇ、今の話聞いてた?」
「うん、ずっと聞いているよ」
「なら、   」
こっちを向いてよ、僕から目を離さないで。君はずっと僕のそばで、僕のつまらない話に相槌を打っていてね。何度だって確かめるよ、僕のこと面倒くさいって君が思っても。僕は不安なんだよ、ねえ、君は僕を聞いてくれる?

たぶん最後の余白

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20170812
title by 37(http://37.xrie.biz/)

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