短編ログ | ナノ
キレながらお出迎えする

「ふんふん〜ふふふ〜ん♪」
「おかえり名前」
「ただいま〜… え」
「何その顔、うけるんですけど」
「えっだっ、え、ちょろまる、なっ」
「はぁん?ちゃんと日本語話せゴラ」
「な…んでチョロ松さんがこっここにいらっしゃるのですか」
「なに?僕がここにいちゃまずい理由でもあるの名前?」
「そっそんな滅相もございやせん、チョロ松さん」
「で?」
「で?…と申しますのは?」
「お前ねぇ…今、何時か分かってる?」
「えっはっ…はい!いま、今は…えーと…」
「僕の時計では、日付またいだ夜中の一時を過ぎたとこなんだけど」
「ひゃ、ひゃい!」
「お前の時計はどうやら違うみたいだね、名前?」
「ごっごめんなひゃい…」
「何がごめんなさいなの?」
「えと、その…遅くなりまして」
「何が?」
「うっうちに帰るのが遅くなったのでごめんなさい」
「何で?」
「同僚とご飯食べてて、そのっ花金だし…」
「同僚?」
「ひっ…チョロ松さん、顔が凶悪なことになってます」
「だれ?何人?」
「あの子とその子さんでし…ふ、ふたりだけです、ほんとです」
「ふぅん…それで?」
「お酒も飲んでたのしくなっちゃって」
「金曜日だからって時間も考えずに飲んでたんだね、ふぅん」
「でっでも!今日は遅くなるよってラインした…」
「こんなに帰ってくんのが遅くなるとか聞いてないからね!」
「ひゃい」
「僕がどんだけ心配したと思ってんの!」
「ごっごめんなひゃい」
「ったく、お前はスマホ見なさすぎ!つか持ってる意味考えたことあんの?」
「通知オフにしてただけ…いっいつもは気付くもん」
「僕がいくつ確認のメッセージ飛ばしたと思ってんの?え?」
「ごめんなさい…」
「しかも、歩いて帰ってきたよね名前?」
「そ…んなことないですよ!まさか、まさか…ふへっ」
「目ぇ泳がせてさぁ…よくそんな嘘が僕に通用すると思ったねぇ」
「とっ途中まではあの子ちゃんと一緒だったもん」
「それって、あの子さんと分かれてからはひとりだってことだろ?馬鹿なの?」
「う…」
「お前ねぇ、いくら護身術習ったからって女の子でしょ?危機感とかないの?」
「ごっごめ…」
「いくら節約だ、運動だって言っても、こういう遅くなった日くらいはここまでタクシーで帰ってきてよ、お願いだから」
「うっうん…」
「じゃないと僕の心臓がもたない。ほんと心配した」
「ごめ…えっ、チョロ松」
「あ?今ちょっと嬉しそうな顔しただろ」
「めっ滅相もございません」
「僕をこんなにも苦しめておいて何喜んでるんだ!馬鹿なの?」
「ひ、ひえぇ…!」

「ねえ…チョロ松くん…?」
「ん?なに?」
「今、友達から今夜ご飯どう?ってお誘いがあったんだけど…」
「え、行けばいいじゃん」
「え…あ、そう? ちなみに、お酒も飲むつもりなんだけど…」
「いいんじゃない?だって今日休日だし」
「あ…うん、うん…じゃあ、行くって返事する」
「名前ちゃん」
「はい」
「僕はね、別に名前ちゃんが外で友達とたのしくご飯食べたりお酒飲んだりしてきていいと思ってるし、そのことに関していちいち僕の許可を取ったりしてほしいわけじゃないの。そこんとこ理解してる?」
「あ…うん、たぶん」
「はぁ…。だからね、昨日は連絡もつかないし、あんなに遅くなること知らなかったから怒ったの」
「うん…めっちゃこわかった…」
「そりゃ本気で怒ってたからね。僕は、名前ちゃんがちゃんと帰ってきてくれたらそれでいいの。分かった?」
「はい…」
「それと、帰る頃になったら連絡入れて」
「え?」
「そしたら、俺が迎えにいってあげられるでしょ?」
「うん…。ありがと…」
「よし。じゃあ、ちゃんとスマホ充電しときなよ。いざって時に連絡取れないんじゃ、意味ないからね」
「はーい」

振り出しに戻る。

「おかえり名前」
「ただいま〜… あっ」

無限ループって怖くね?

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20160225
20171001修正
ナチュラルに同棲してるチョロ松

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